赤い闇 スターリンの冷たい大地での作品情報・感想・評価

上映館(16館)

「赤い闇 スターリンの冷たい大地で」に投稿された感想・評価

R

Rの感想・評価

3.8

このレビューはネタバレを含みます

この作品を見るまで、主人公の英国人記者ガレス・ジョーンズを知りませんでした。観賞後、調べてみてもほとんど情報が出てきません。
ホロコーストはよく映画のテーマになりますが、ソ連からウクライナへのホロドモールは知らない人が大半だと思います。

こういった知られざる歴史の裏側を、道徳心を貫いた1人の記者の目線で見られました。
中でもソ連とウクライナ、マスコミ業界とガレスの力関係が印象的でした。
ウクライナの部分は予想よりも短く、エンドロールでガレスの最期を知り本当に驚きました。
それだけ当時のソ連が力を持っていたことが伺えます。
ホロドモールを知らない人にこそ、ぜひ見てほしい一作です。
Yamachan

Yamachanの感想・評価

3.7

このレビューはネタバレを含みます

試写会で鑑賞させていただきました!
共産党による情報統制、ソ連の闇、報道の制約
まさに赤い闇というタイトルにぴったりでした。
今の時代だからこそいろんな人に見て欲しいです、背景事情を少しだけでも知ってから観ないと人によってはわからないかも?
試写にて鑑賞。

ロイド・ジョージの外交顧問やヒトラーへの取材経験もある、28歳の若き英国人ジャーナリスト:ガレス・ジョーンズが世界恐慌下のソ連繁栄の謎を追った実話を元に、ポーランドのアグニェシュカ・ホランド監督が描いた、脚色ありな歴史ドラマ。

レーニンからスターリンへ体制がバトンタッチされる中、理想の社会を叫び、成功と繁栄という虚構を垂れ流していたソ連。
徹底した情報管理と情報操作。
権力の暴走。

恩恵を受ける一部のセレブ達と、ホロドロームの現実…

人は権力に迎合するとどうなるか。
人は極限状態になるとどうなるか。
人々はなぜ彼の声を信じなかったか。
プロパカンダの恐ろしさを感じた。

今だからこそ観ることをおススメしたい。
maaaya

maaayaの感想・評価

-
試写会にて鑑賞

無名のジャーナリストがソ連の真実を求め行動を起こす話。

恥ずかしながら、この映画を観るまでホロドモールと言う言葉を知りませんでした。
ウクライナで行われていた虐殺の悲劇、主人公の強い正義感に圧倒されました。
真実を求める一方で、脅かされる自身の命。残酷なように見えて、それが常と化した世界は今もあまり変わっていないように思えます。

当時の知識をもう少し増やして観れば、もっと多くの事を感じ取れたのかもしれません。勉強不足が悔やまれます。
祐吉

祐吉の感想・評価

4.0
ポーランドの巨匠アンジェイ・ワイダの弟子筋にあたる、アニエスカ・ホランド監督作品。原題は、主人公・実在のイギリス人ジャーナリストのガレス・ジョーンズから“Mr. Jones”。

1930年代、スターリン時代のソビエトの状況を取材すべく潜り込んだイギリス人ジャーナリストと彼の見たウクライナを描く。とても重いテーマの作品だし北朝鮮などの現状を見た人には目新しさはないかも知れば行けれど、「1984」のジョージ・オーウェルが書いた「動物農場」の製作過程と同時に描かれるなど、エンタテインメント作品として見事に脚色されている(ちなみに「動物農場」はジブリ美術館がアニメ化された作品をDVD化、石ノ森章太郎がコミカライズ、開高健が翻訳、宮崎駿もコメントを寄せている。小型二つ折りチラシ参照)。ジャーナリズムのありようが疑問視されている日本において、今観ておくべき作品だと思う。
ちなみに『マチルダ 禁断の恋』のミハリーナ・オルシャンスカもチラリと出演。

また試写会時に行われた森直人さんの解説が、時代背景から脚色された(であろう)部分、当時の掲載記事の媒体性質、関連映画の紹介(直近の作品では『ジョーンの秘密』『死霊魂』を挙げられてました)など端的に語られ、とても興味深かった。とてもいいテキストになると思うので、You-Tubeなんかで流せばいいのにな、と思いました。
Sophie

Sophieの感想・評価

4.0
試写会にて鑑賞。

本作は、ソ連のスターリン政権下で1932年から1933年にウクライナで起こったホロコースト「ホロドモール」の悲劇を自身の目で目撃し、その事実を世界に訴えてウクライナの人々を救おうとした英国人ジャーナリストであるガレス・ジョーンズの報道の使命を全うしようとする勇姿を描いた社会派映画。事実を事実として描いた骨太の社会派映画ながらも、見事な脚色でエンターテイメント性をもった素晴らしい作品に仕上がっており、一人のピュアな青年の冒険物語といってもいい作品である。

監督はポーランドのワルシャワ出身のアグニェシカ・ホランド氏。彼女の父親の両親は第二次世界大戦中にナチス・ドイツがワルシャワのユダヤ系の人々が多く住む住宅街に設置したワルシャワ・ゲットーで亡くなっており、ホロコーストへの意識が高い人である。そんな彼女は娯楽映画職人ともいわれているのをご存じだろうか。私は暗く重たい社会派映画を見終わったにもかかわらず、おもしろかったと思ってしまった。目を背けたくなるようなシーンはもちろんある。しかし、観客をワクワクさせるような面白いと思えるシーンもあるのだ。このワクワクさせる脚色こそが、脚本家でもある監督の才能が発揮されている箇所であると思う。この映画に登場する、英国人ジャーナリストのガレス・ジョーンズ、普及のディストピア文学「1984」や「動物農場」で名高い作家のジョージ・オーウェル、Yellow Journalismで有名なアメリカの新聞社ハースト社は実在の人物及び会社である。しかし、主人公とこの作家及び新聞社の経営者との関係において、実際に映画で描かれたような事があったという史実はない。この史実にはないが、映画に描かれたことが起こっていてもさして違和感がない程度にドラマティックに演出されているところが観客をワクワクさせてくれる。映画のホームページや映画の予告を観てもそれは伝わらず、重たいテーマゆえに本作を観るのをためらってしまう人もいるかもしれないが、ぜひためらわずに観て欲しい。
sally

sallyの感想・評価

3.9
久しぶりに、会場での「試写会」が映画を見てきました!

会場を待って、映画が始まり、大興奮でした。



毎年、夏になると、ここ数年、ヨーロッパの戦争と言うか、第二次世界大戦のドイツモノなどが公開され、知らない歴史に触れられる事を楽しみにしていて、本作品も、今回大変に楽しみにしていました。

本作品、まずは、日本人には、予め予習と言うか、この頃のヨーロッパの事情を知ってから臨むと良いかな・・・・

正直、当時のヨーロッパの事情が分からないと少し難解かな・・・・・

本作品のお話が、実話と聞いて、本当にびっくり、「誰かの洒落た靴の下で、どれだけの人が涙をながしているのか(THE MODSの歌詞から引用)」

怒りというより、呆れてしまう・・・しかし、本作品の内容ですが、今でも現実に同じような事が行われているんじゃない、同国では、相手は○○だけどね・・・・・正直、何時も思うけど、大変に汚い国だな・・・・・

本作品より1週間先い公開されるジュディ・デンチ主演「ジョーンの秘密」を後で見ると良いらしいね。

ある意味、話が続くと言うか・・・・

本作品の監督のアグニェシュカ・ホランドって社会派の映画を作れるしエンターテインメント作品も作れるし、非常に器用な方ですが、本作品も、結構映像に凝っていて、カラーからモノクロ(シルバーカラーかも)になったり、要所要所にシュールに撮られている。

内容にメリハリがある意味、無いと言うか、淡々と話が進むので、出来れば、予習して見た方が良いかな・・・

しかし、この作品が実話と言う事で、主人公の方を考えると少し虚しくなるな・・・・・

良い映画でした。

このレビューはネタバレを含みます

実在のジャーナリスト・ガレス・ジョーンズが、
実際に体験した出来事の映画化。


「我が国は繁栄している」。
「我が国はこの世の楽園だ」。


そんな風に標榜している国は、
何も、こんな古い時代じゃなくても、
今でもあるし、
日本だって、他国を笑えるのか、と思う。


ただ、映画の時代とは違って、
これだけ通信が発達した今、
何かを隠すのは、昔より楽ではない、というのはあるけど、
逆に、ネットを利用してフェイクニュースを流す事もできるという
側面もあるわけだし。


世界恐慌の嵐が吹き荒れる中、
スターリンが統治するソビエト連邦だけが、
繁栄していると聞けば、
誰だって、疑問を持つのは当然だし、
もしそれが本当なら、
その理由や、コツをご教示願いたいと考えるのも、
当然の事と思う。


そんな思いで、
監視の目をくぐり、
決死の覚悟でウクライナ入りした、
若きジャーナリスト・ジョーンズは、
目にした光景に、言葉を失う。


酷寒としか言いようのない世界で、
人々の飢えは極限に達し、
駅や道端で人が死んでいても、
皆、虚ろな目をして、
それをよけて歩くだけ。


ジョーンズが、電車の中で、
オレンジを食べ始めると、
乗り合わせた人々は、
今にも飛び掛からんばかり。
食べ物に向けるギラギラとした、その視線の恐ろしさ。


さらに、ジョーンズは、
最悪の体験をする。
ある家で、子供たちが食べていた肉をもらい、
一緒に食べている時、
ふと、気付く。
「君たちの兄さんは?」と。


この映画と、
今の世界情勢の苦しさは、
種類が違うけど、
先がまるで見えないのは同じ。


貧すれば鈍する。
世界はこの先、どこへ向かうのか。
IK

IKの感想・評価

3.7
1932~33年に起きた大飢饉「ホロドモール」の告発を描いたもの。映画内では具体的な年代やホロドモールに関する説明は殆どないので、Wikipedia等で少し情報を入れた方が分かりやすいかも。

当時まだ20代で、良くも悪くも真っすぐで頑固なジョーンズに最初は不安を覚えていたが、そんな不安がどうでもよくなる位、大飢饉下のウクライナの惨状が恐ろしすぎる。更にジョーンズの告発を阻止しようとするソ連の圧力もえげつなく、軽々しく「おそロシア(実際はソ連の話だけど)」なんて言えない程凶悪なソ連の力をまざまざと見せつけられた。しかも満州でのジョーンズ殺害にもソ連が関与していた可能性があるとか…。

また、ジョージ・オーウェルがいかに「動物農場」を執筆するようになったかという話が並行しているのも面白い。実際に「動物農場」が刊行されたのは1945年のため、事実が映画そのままかどうかは怪しいが、読んだらまさにドンピシャな内容で、小説自体の読みやすさもあり中々ゲンナリする事が出来た。なので映画を観た後「動物農場」も読んでみると、理解が深まる上それはそれは嫌な気分になれます。
Kuuu

Kuuuの感想・評価

4.0
試写会で鑑賞

ウクライナの飢餓の実態を、音と人々の細かな視線などからリアルに描写していて、無知な私でも全身から鳥肌が立つほどだった。

若きジャーナリストの真実を突き止めたい思いと恐ろしい時代の政府の闇の関係が、コロナ時代の今だからこそ何か感じる部分があった。