赤い闇 スターリンの冷たい大地での作品情報・感想・評価・動画配信

「赤い闇 スターリンの冷たい大地で」に投稿された感想・評価

過剰な邦題シリーズ。原題の通りジョーンズが主役で、知った事実をどう取り扱うか記者、そしてメディア・報道の在り方に問題提起する。

メインはジョーンズがウクライナで目にする現実で、雪と木々のコントラストが強調され白黒のようで、厳しさが表れている。事前に想定していたよりも描写は短かかったけれど、恥ずかしながらホロドモールという言葉は知らなかった身でも悲惨さを痛いほど感じた。

報道されるニュースは、作り手の意図が大なり小なり入っているのは当然ではある。それにしてと国による情報統制甚だしく、加えて記者そしてメディアによる情報操作には不安を感じる。何を伝えるか、より誰が(どこが)伝えるかで人々の意識を操作できてしまう危険性を孕んでいる。人は権威ある情報は無条件で受け入れやすいことは間違いない。
飢饉がある土地で育った子と、何でも得られて自分で調べようともせず父母からの情報を鵜呑みにする子では価値観が合うはずがない、というのも地味に怖い。

改めて意外に感じたのはこの時代共産主義に対して理想的だと考えている人が多そうだ、ということ。世界恐慌が起きた中で順調に経済を発展させている(ようにみえる)共産主義は、当時の情勢鑑みても頷ける。

『動物農場』は未読なので是非読んでみたい。
Kai

Kaiの感想・評価

4.2
怖い映画ですね。
最近この辺りの歴史を勉強しているから観たけど結構キツい話です。
こんな勇敢な人がいたんだよね
はり

はりの感想・評価

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モスクワに国際電話するときの演出が赤の愛の冒頭と似てるなと思ったら監督がポーランドの方なのですね、なるほど納得(これだけで色々考えてしまう)
動物農場未読なのが悔やまれる…
海外版ポスターのデザインが素晴らしい
最近、この映画の存在を知りました。どうせ、ホロドモール(強制餓死政策)もニュアンス的な扱いなんだろうと思っていたのですが、正面切って描いています。ちょっと驚きでした。何とかウクライナの真実を暴きたいと思った記者のガレス・ジョーンズは単身モスクワに乗り込み、在モスクワのニューヨークタイムズの女性記者エイダにこう言われます。 “あのナチを倒すには共産党に頼るしかない。自由なベルリンを取り戻す。新しい未来を作るのだ” つまり、おそらく、当時の西側ジャーナリストは、あのナチと戦えるのはスターリンだけだし、ソビエト国内に色々と問題はあるだろうが、ヨーロッパの救世主になるかも知れない、という期待でソビエトのプロパガンダに付き合ってあげていたのだ、という流れです。

なんかこれ、どうも私は納得行かない。私は、むしろ逆だったのじゃないかと思うのです。「もし、1939年にヒトラーが死んでいたら、おそらく第二次世界大戦最大のヒーローになっていただろう」と、ある評論家が言ってましたが、1930年代はスターリンの大粛清の時代、その中には、ウクライナ化を指導したソビエト国内の政治家や知識人も大量に粛清されています。なので、当時の最大の恐怖はヨーロッパの赤化です。1939年、亡命ウクライナ人も沢山居たポーランドにナチスが侵攻したとき、最初ウクライナ人は解放軍だと喜んだという話もあるくらいです。

ナチスの恐怖は、ドイツ国内ではいざ知らず、世界的な人口に膾炙するようになったのは、1939年の侵攻以降です。(チャップリン『独裁者』の撮影も1939年9月からです)それまで、赤化の恐怖からヨーロッパを守ってくれそうな唯一の国は、期待も込めてナチスドイツだけだと思っていた筈。なので、このボタンの掛け違いからスタートすると、多くの西側ジャーナリストは共犯者で、
頭のおかしなウェールズ人ジャーナリスト一人だけがナチ攻撃の邪魔をしたのだ、という文脈になってしまうんではないかと思うのです。

この映画、ホロドモールを歴史の常識として学ぶという効果はあるかも知れませんが、しかしながら、これはどう考えても現在進行形の例の国の話と恐ろしい程似ているので、そういった暗喩として捉えている評論があるかなあ、と映画レヴューをできる限り拾い読みしてみたのですが、皆無でした。私にとってはこっちの方が恐ろしいのですが。。。
真実と正義感に燃える若者と狡猾で清濁併せ持つ世慣れたピュリッツァー賞受賞者の二人のジャーナリスト。

ホロモドール…五ヵ年計画…。
それも、人為的な大飢饉。
無知無学の為全然知らなかった…。

面白いとかそういうのじゃ無くて、もうちょい勉強して、また観て観たい作品でした。
マロン

マロンの感想・評価

3.7
真実の追求について考えさせられる。

ソビエトの歴史の一部を理解する時間をもらえた。
今年1かもしれないというくらい残酷で重い内容🎥…しかも実話…泣



餓えた子供たちがめちゃくちゃコワイ内容の歌を美しいハモりで近づいてきます…恐っっ‼️🍖

こんな時代のこんな国で生き延びる自信がありません…
ah

ahの感想・評価

4.0
ジャーナリストって何だろう?と思った時に観るといい。
そこで起こっている事を伝える事が自分の存在意義だと真に思える人、伝える事のリスクより、行為の意志を取るのがジャーナリストなのでは、と気づかせられる。

近現代史は自分で知ろうとしない限り、全く見えてこない史実が多い。映画を通じて気がつく人の負の歴史に目を背けず向き合いたい。
yuusai

yuusaiの感想・評価

4.4
いつの世にも闇を暴き、真実に光を当てようとする人達は存在する。ネットは告発のツールとして活躍するが、私達の電話、メール、SNSは全てアメリカ軍横田基地に有るNSA国家安全保障局の監視下に有る。それが敗戦国の日本が独立を上辺だけでも認められた交換条件。私達は二度と貴方達に歯向かいません、と。此の真実を暴いたのがEdward Snowden。京都のミニシアター、京都シネマで鑑賞。

ハッキリ言えば面白い映画ではない。だが、貴方の貴重な余暇の時間を費やしても見る価値は十分に有る。日本人には馴染みが無い要素が多いので、事前に予告編を見る事をお勧めする。
https://www.youtube.com/watch?v=fm0T7am4dnw

Agnieszka Holland女性監督、ポーランド、ワルシャワ出身。祖国の英雄Andrzej Wajda監督を師事、彼女は脚本家として名作「コルチャック先生」「ドイツの恋」を手掛けた。Wajda監督はレジスタンスを描く一方、批判を暗喩的に描いた作品を数多く残して史実と映画を両立させた点が高く評価され、アカデミー栄誉賞も得た。彼女も「太陽と月に背いて」「ソハの地下水道」と、同じ道を歩む。私は宿命と言う言葉は嫌いだが、これがポーランドの終わらない戦後の宿命かもしれない。

主演は次期「007」候補James Norton、35歳。BBC御用達俳優と思ったら「フラットライナーズ」観てたわ"笑"。共演は「ミッションインポッシブル フォールアウト」Vanessa Kirby、確かワイスピにも出てた、彼女もイングランド出身。Peter Sarsgaardはイリノイ州の陽気なアメリカ人。間違いなくハリウッド・スターだけど地味"笑"、でもソコが良い。彼の安定した存在感が、難しいテーマを分り易く導いてくれる。

「Holodomor Genocide」、中国文化大革命、ホロコーストと並ぶ20世紀3大悲劇の1つ。劇場で「なんか聞いた事有るな」と思い、帰りのドトールで検索したら「チャイルド44」新潮文庫で読んでた。映画「チャイルド44 森に消えた子供たち」も観てた。ホロドモールはウクライナで起きた「人為的な大飢饉」。死者が300万人とも1500万人とも言われ、食糧難で死体の人肉を食べる人も。日本人には馴染みのないジェノサイドだが、分り易く言えば「意図的な集団殺人」。ガレス・ジョーンズを送り込んだイギリスは本件をジェノサイドと承認しない。だからこそ彼に報いるべく英国資本で作られた。私がイギリス映画が一番好きな理由の一端も垣間見える。

監督は本作で描かれる真実の「隠蔽」、政府と結託して忖度する「マスコミ」の問題は、現代の報道姿勢とダイレクトに結び付く、だから製作したと述べた。秀逸なのはガレス・ジョーンズと同世代George Orwellを登場させたのは上手い演出。彼は「1984」全体主義に依る統治された近未来世界を描いた、ディストピア小説の金字塔を執筆。コレを基にFrançois Truffaut監督「華氏451」。George Lucas監督「THX 1138」等多くのフォロワーが生まれた。その前作に当たるのが「動物農場」人間の農場主に虐げられた動物が革命を起こし、豚のリーダー、ナポレオンが独裁者と化す。ナポレオンのモデルは当然スターリンだろうが、共産主義に痛烈な皮肉を喰らわしてる。シリアスなテーマに寓話的なスタイルを持ち込む、監督のセンスが映画のセンシティヴを高めてる。

ジョーンズのスクープはソ連の外国人記者のリーダー役ニューヨークタイムズのモスクワ支局長ウォルター・デュランティに一度は阻止される。だが、イギリスと言う国は情報収集に秀でた国で、記事のウラを取ってスクープを正々堂々と援護。彼は大いなる名声を得たが、このタイプは自分の俗世に興味が無いので、溺れる事無く新たなスクープを求め再び世界へ飛び出す。

次に彼の消息が明らかに成ったのは我が国、日本。イギリスと同程度の国が中国大陸の一部を占領。英国人から見ればスペインを統治下に置く感覚だろう。日本政府要人の取材を終えドイツ人記者と一緒に満州国へ。中国を経てモンゴルに行く彼を、政情不安を理由に日本政府は止めたがウクライナの件も有り、警戒が疎かだった。取材中に盗賊に誘拐され、身代金に目が眩んだ中国人に売り渡され、スターリンの顔に泥を塗ったジョーンズは、秘密警察の手で葬れ去られた。ウォルター・デュランティはピューリッアー賞剥奪の抗議を受けたが、73歳で亡くなる。貴方は選べるなら、何方の人生を選択するだろう?。

脚本を書いて製作も兼務するAndrea Chalupa(美人)は、ホロドモールの史実を書き上げ、Holland監督に映画化を迫ったが、同じプロットの脚本ばかり舞い込むので、始めは乗り気では無かった。製作するにもポーランドの製作会社Film Produkcjaだけではロケの規模を考えても無理と態度を保留。其処で当事者であるウクライナの製作会社Kinorobに監督を説得する様に掛け合う。実は彼女の祖父はホロドモールの生き残りで、生前自分の体験を人々に伝えて欲しいと孫に手記を残してた。

一般人で映画界の実績ゼロの彼女だが、その秀逸な脚本は当事者しか知り得ない情報と、勧善懲悪を廃した、見事なバランスの元に書かれてた。ウクライナの現政権はホロドモールを否定する親ロシア派。それに批判的なウクライナの製作会社はジョーンズの祖国、イギリスの配給会社Signature Entertainmentにコンタクト。其処から同国グラスゴーの製作会社Jones Boy Filmがアテンド。ウクライナ、ポーランドも加えた3ヵ国共同体制を構築。英語、ウェールズ語、ウクライナ語、ロシア語が飛び交う事から、経験豊富なハリウッド俳優を招集。ギャラは安いが脚本に共感した実力派が揃う。主人公と同じ様に、彼女も真実は人を動かす力が有る事を証明した。多くの人達が飢餓で野垂れ死ぬ姿を見ていた御祖父さんも、きっと喜んでいるだろう。

不撓不屈の精神を持つジャーナリスト魂に最大限の賛辞を。偽りの繁栄は現代も続いてる。
けいこ

けいこの感想・評価

3.5
スターリン政権下の闇を暴こうと、ウクライナでイギリス人ジャーナリストが奮闘する。

意外とアッサリ終わってしまった印象。もう少しハラハラ感があればもっとよかった気がする。

ニューヨークタイムズがスターリンを擁護した記事が出たことなんてあったのね💦
社会の闇に関わると長生きしないよね😨
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