このレビューはネタバレを含みます
イギリスの元外交顧問で記者となった男(マクマフィアのジェームズ・ノートン)がスターリンへの取材を試みようとソ連入りし深い闇の真相へと迫るアグニエシュカ・ホランド監督作。
"平等主義というのは 搾取と同じ構造で しかもよりタチが悪い"
ソ連によるウクライナへの意図的な大飢饉ホロドモール。知っている歴史的事実だったけれど、やはり人肉食を扱った題材は衝撃的すぎて...。
子ども達が歌う〈私たちの隣人はもう正気を失い そしてついに自分の子供を食べた〉という歌の内容に震える...。
世界が戦争へと傾こうとしている不穏な雲行きのなかでは、スターリンの陰謀を告発しようとしたとて、ジャーナリズムのペンによる正義など何の役にも立たなくて...。
モスクワにいるニューヨーク・タイムズ紙のピューリッツァー賞の記者でさえスターリンに買収されている。
正義は勝たん...!
長いものに巻かれた人間だけがうま味を享受するという構図が何ともやるせなさすぎて...。
2022-434