スターリン政権下のソ連の謎に迫るサスペンス的緊張感と、その後待ち受けている世界的な歴史を感じるようなヒリヒリとした空気が終始漂う。
ホロコーストやルワンダと並んで語られるホロドモールだけど、映画の題材として観たのは初めて。無彩色のウクライナの場面が印象的で、きっと実際はもっとひどい場面や物語があるのだろうけど、この静かな雪の世界が圧倒的な「絶望」を感じる。
権力が暴走し、ジャーナリズムが腐敗し、国民が疲弊していく歴史は世界中で何度も何度も繰り返す。これからも繰り返されるのだろうか。そして、今の世界でガレス・ジョーンズのような記者が真実を語った時、私はその記事を信用することができるだろうか。