せりな

赤い闇 スターリンの冷たい大地でのせりなのレビュー・感想・評価

3.0
スターリン体制の恐ろしさが伝わってきた。
まだソビエトの社会主義が成功していると思われていた頃の話だよね。
世界恐慌で不景気と社会が混乱して時代で、『ジョーンの秘密』と時代がほぼ同じなので見ながら思い出してしまった。
ソビエトだけが繁栄している事を疑問に思って真実を追求して行く話ではあるけど、独裁と国家が嘘をついていることの恐ろしさが強く印象に残った。
ジャーナリズムとは何かについても強いメッセージ性があると思う。
政治や経済を支配している人たちにとって都合の悪いことは報道されなかったり、真実の方が糾弾される世界。それは過去の出来事ではなく今の世界と繋がっている。
ガレス・ジョーンズの真実を報道するという強い信念は、ジャーナリストの鑑だと思う。ウクライナの飢饉、ソビエト当局の監視体制など第二次世界大戦前後の時代に関心がある人にはおすすめできる作品なのかなと思います。

ウォルター・デュランティのピューリツァー賞取り消しの要求に対して、タイムズ自身もデュランティの記事を批判しているのに拒否したのは何でなんだろう?。自身のキャリアの為に真実を捻じ曲げるようなことは許されないことだけど、今でも自己保身に走っている人は沢山いるんだろうな。
せりな

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