いち麦

ニューヨーク 親切なロシア料理店のいち麦のレビュー・感想・評価

5.0
困っている人に手を差し伸べ助けようとする人もまた弱い立場の者たちなのだなぁと実感。赦しの会では弱者同士でなお傷付け合い続ける真逆の現実もさり気なく覗かせていた。ゾーイ・カザンの魅力に依る処大だし確かに恋愛要素がややテーマを曇らせる部分があるが、恋愛感情だけでは括れない人間の優しさや弱さを存分に描いた麗しいドラマだったと思う。タハール・ラヒムは精悍さより柔和さのほうが優ってきた感。“なんちゃって”ロシア料理店なのを体現するビル・ナイもイイ味。原題はテーマを真芯で捉えているのに、何を狙ったのか、そこからズレた邦題だけが見る前に誤解を与えるようで悔しい。
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