モルダー

屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカのモルダーのレビュー・感想・評価

3.4
1970年、敗戦後の尾を引くドイツで、女性たちを殺害した男、フリッツホンカを描いた実話のホラー。

フリッツホンカを一言で表すなら、「アル中と性欲の権化」!

屋根裏のクソ汚ねえ部屋に住み、恐ろしく酒に依存し、女性とヤルことしか考えてない欲望剥き出しのホンカは、気に入らない娼婦を殺害。
一線を超えているけど、仕事はしており、よく観察すると普通の人の側面も持ち合わせている(また一時的に酒を断っている)。
彼の欲求は現代人のそれと大して変わらず、
彼から随所に感じ取れる「人間らしさ」のせいで、憎めない部分もあるから不思議なもんだ笑
ホラーでもあるけど、ブラックユーモアに富んだ内容(女子が生肉を食らう妄想シーンとか)で、思いのほかシリアスさは薄い。

しかし、親からの暴力と育児放棄、交通事故による顔面損傷といった彼の背景を聞くと、アル中と性欲の化け物になったのは理解できるが、
殺人は衝動的で短絡的であり、後ろめたさ皆無で作業的に死体を処理する様を見るに、
本当に彼は戦争が副次的に生んだ哀しきモンスターなのか?
それとも、、、ナチュラルボーンキラーなのか?・・と考えずにはいられない映画でした。
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