くさむすび

屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカのくさむすびのレビュー・感想・評価

4.2
冒頭の完璧な犯行には程遠い場当たり的で杜撰な死体解体から面食らう。不細工だと罵られても全然動じてない所に彼の今まで歩んできた人生を感じたり、フリッツの部屋に消臭剤が置いてあったりなど細かいところでリアルな人間味を感じる。酒・性欲・暴力でしか成り立ってない無敵の人に見えるフリッツも、人間的な弱さが随所に見える。でもそこで"愛すべきクズ人間の物語"にせず、しっかりダメな一線を超えるから"嫌悪感を抱くクズ人間の物語"に帰着するのが良い。こんな性格だから、最初に出てきた若い女性にはストーキングでもするのかと思いきや受動的で途中まで全く進展がないし、結局彼の殺す/殺さないの基準も分からないんだけど、この中途半端で大雑把な感じがフリッツ・ホンカという人間を象徴しているように自分は思えた。
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