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屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカのaoooooiのレビュー・感想・評価

2.9
久しぶり観る胸糞映画体験だった。
前情報なし、ファティ・アキン監督の新作ということだけで観に行った。
観に行って冒頭から公開した。
あー、これヤバいやつだ。
トラウマになるやつだ。ムカデ人間以来のトラウマ映画になる自信があると。

実際しんどかったー
ほとんど共感できるところはなく、劣等感を映画全編が漂わせて見てるこちらも陰鬱になる。
這い上がることのできない暮らし、自己憐憫の痛さ、愛のない性欲と虚しさ。
酒に溺れて、女を連れ帰り、自分より非力で惨めな相手を力でねじ伏せる。

とにかく落ちる。

ただ他人事では済まされない。
自分だってこうなってたかもしれないし、これからこうなるかもしれない。

そして売春婦の女たちの哀切さよ。
バーでかかっていた音楽で店の女たち、男たちが号泣する。
酒で朦朧としないと生きられない現実。
そういうところが刺さる。

殺人鬼が執拗に追い求めるふくよかで若々しい女の子が対比となって眩しい。
だが彼女もまた40年後には殺された売春婦と同じ運命を辿るかもしれない。
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