adeam

イエスタデイのadeamのレビュー・感想・評価

イエスタデイ(2019年製作の映画)
2.0
ミュージシャン志望だが目の出ない青年がビートルズが存在しなくなった世界に迷い込み、その楽曲を利用して成功をつかむファンタジーコメディ。
音楽映画と思って観ると物語の主軸は青臭いラブコメで、ビートルズの役割はそれを彩る一要素にすぎないことにがっかりする気がします。
恋愛の成り行きにも、音楽に対する向き合い方にもご都合主義があふれた能天気なストーリーからはダニー・ボイルらしいシニカルな視点は感じられず、むしろ脚本のリチャード・カーティスの色が前面に出ています。
ビートルズがいなければオアシスもいないというギャグは良いのですが、音楽に留まらないカルチャー全体への計り知れない影響力を描くことから逃げ、コカコーラとタバコを口頭で処理するだけなのはガッカリでした。
マニアックになることを避け幅広い観客にアピールするためか、ビートルズ愛を感じない表層的な選曲やエピソードの作り方も残念でした。
ヘルプを歌うシチュエーションは楽曲の制作背景とストーリーがリンクしていて良かったです。
adeam

adeam