スキピオ

イエスタデイのスキピオのレビュー・感想・評価

イエスタデイ(2019年製作の映画)
3.5
大停電によりビートルズを知っているのが自分だけの世界になり、主人公はそれを利用し超人気歌手になる。主人公の反則技的なスターダムの駆け上がりっぷりに辟易しかけたところに、この世界になったことによる「大きな変化」が明かされ、この荒唐無稽な夢物語が許せてしまった。

「ビートルズの無かった世界」という大ネタと「ラブストーリー」の二つを同じくらいの比重でやるというのは、食い合わせが悪かったと思う。リリー・ジェームズ演じるヒロインのキャラクターの性格が基本的によかったのが幸いだけど。

西寺郷太氏も言ってたけどビートルズが消えたらもっと色々影響があるはずだってのを実際に観てより思ったな。バック・トゥ・ザ・フューチャーの現在と未来みたいに歴史改変による、リンク・非リンクを掘り下げてほしかった。実は他にも消えるものがあるのでその辺テキトーなのもモヤるし。

まぁ最近流行の音楽映画のわりに音楽パートの割合が少なくてサービス不足感を感じるけど良作だと思う。