リョウ

風をつかまえた少年のリョウのレビュー・感想・評価

風をつかまえた少年(2019年製作の映画)
2.5
実話ということもあってかなり期待していた。
ところが現実は辛く厳しい。
貧困な土地に住むアフリカの少年が風車を作って村を救う話なのだが天才少年の鮮やかな発明劇みたいなのを想像するとかなり辛い二時間弱を味わうことになるだろう。
というのも風車の発明に関わるのは最後の方にホントちょっとだけ時間を割くだけ。しかも何度も失敗を重ねて、ではなく割りと簡単に風車作りを成功させてしまうという(汗)
映画のほとんどの時間はこのアフリカの地での生活の厳しさを描いている。
主人公の家庭は農家なのだが土地の状態が本当に厳しい。
雨のふりすぎによる洪水で収穫ができない時もあれば反対に全く雨が降らず土地自体が死んでいく時もある。
それでも両親は主人公や主人公の姉を学校に通わせるも結局食べ物の不足により学費が払えなくなってしまう。
最初あんなに優しかった父親が徐々に頭の固い頑固親父に変わっていく様は見ていて悲しかった。
別に彼は悪人ではない。でもどんなに努力しても彼の力だけではどうにもできない現実がある。
そして父親としてのプライドも。
全てを失った彼は父親というプライドしか子供に誇れるものは無いから。
こんな過酷で悲しいシーンのオンパレードなのでかなり見ているのが辛くなるのだがその分最後風車をつくった時の感動はとても大きい!
そして最後の本人のメッセージも!
父親役の人は「それでも夜は明ける」の人。今回監督もやってるそうだがその演技の力強さに圧倒された!!
そうか、そう言えばこの映画、それでも~に通じるものがあるなー。
リョウ

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