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アンダー・ユア・ベッドの708のネタバレレビュー・内容・結末

アンダー・ユア・ベッド(2019年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

大石圭の原作は未読。SUBU監督と韓国キャストでリメイクがつくられるとのことで観ました。

家族も学校の先生やクラスメイトからも、ずっと忘れられた存在にされている男・三井が、大学で唯一、自分の名前を呼んでくれてお茶をしたクラスメイトの女性・千尋が忘れられず、家を突き止めて監視するものの、変わり果てた姿の上に夫からDVを受けているのを目撃してしまうというストーリー。

忘れられるっていうのは、いじめられる以上に辛いことだと思うんです。存在すら認識してもらえないという悲しさ。悲しさすら超えてしまうと無痛になってしまい、それこそ石の下の虫のようにひっそりと生きていくしかないのでしょう。そんな三井にしてみれば、初めて名前を呼んでもらったことは大事件だったと思うんです。だからこそ、その人物に好意を持つのはわからなくもないです。だけど、三井が自営しているグッピー屋で千尋は三井に直接再会したのに、まったく覚えていないというのがなんとも残酷です。​​

孤独のせいで歪みまくって行動がヤバいのに、気持ち悪いと思わないのは高良健吾だからという部分もあるかもしれませんが、ストーキングという目的で不法侵入したり監視していたりしたはずが、DVを振るう旦那から千尋を救い出そうとする目的へとシフトした部分もあるからかなぁとも思います。まぁ、やってる行為自体はかなり異常なんですが、それが正義のために役立つという感じだし、土台にあるのは千尋への真っ直ぐな愛なんですよね。危害を加えるためじゃなく、ただそばにいたいだけという。だからこそ、判断基準を狂わされる世界観でした。

夫のDVがとにかく酷いんだけど、学生時代の彼氏もDVの気があったっぽいということで、この千尋という女性はそういうDV男を惹きつけやすい(自分も惹かれてしまう)んだろうなぁ。差出人不明の花束を喜んで楽しみにするようになっちゃってるあたりにも、そういう部分が出ているように思えました。
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