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アンダー・ユア・ベッドの月のネタバレレビュー・内容・結末

アンダー・ユア・ベッド(2019年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

大学に入るまで存在が皆無だったような、生きてるか死んでいるかわからないような生活をしていたところに指した一筋の光。名前を呼んでくれただけ、たった一度、コーヒーを飲んだだけ。それなのに、幸せと感じ、生きる希望を得た。彼女は彼にとって生きる意味だったのだ。グッピーは二人を繋いだ。そこから30歳になった今も、ずっと彼女のことを考えている。彼女が好きなコーヒーを飲んでいる。彼女を想いグッピーを育てる。とんでもなく女々しい三井、どこか愛おしく感じてしまった。これがリアルであったらドン引くだろうが、高良健吾だからこそ見ていられる。
近くの家に越してき、盗聴、盗撮、合鍵の作成、最後にはベッドの下に入ってしまう。とんでもないストーカーである。
でも彼女にとっても、名も知らない花を毎月10日に送ってくれる人間は心の支えであり生きる糧になっていたのだ。知らぬ間に二人で支え合い、生きている。愛おしい。息をしている。

生きている中でいちばん辛いのは忘れられること。今まで忘れ去られていたのに、最後には思い出してもらい 名前を呼んでもらい お互い涙を流している。なんて苦しいんだ、自首したあとに思い出すなんて。もう少し、二人の世界を楽しんでいたかった。すごい好きです、この映画。是非観てほしい この目で この耳で 何もかもを感じ取ってほしい。
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