RyanMihawk

サイダーのように言葉が湧き上がるのRyanMihawkのレビュー・感想・評価

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愛敬さんの絵が超絶に可愛い 女の子の芝居や仕草も凄く丁寧に可愛い 女の子だけじゃなく男の子もしっかり可愛い
可愛いのはキャラだけじゃなくて服やちょっとした小物まですべてが可愛くて色使いも上手すぎる
しかもBGはわたせせいぞう風でお洒落
お洒落な絵の上に可愛いキャラが乗っていて唯一無二の作風になっている おしゃれ画面をコントロールし続けていて凄い 誰にでもできることではないことを成し遂げていると思う
ノリの良い予告に引っ張られて見誤りそうだけどテンポはかなりゆっくり スマホをいじる指、レコードを撫でる手などかなりもったり動いているし、それによって映画のテンポも独特のものになっていた気がする ラストのカタルシスも夏祭りで花火上がったりして起こっていることはかなり派手だけどカメラの使い方や絵の見せ方は割と静かめに思った
冒頭30分以上、地方の巨大ショッピングモールを舞台に話が進む このショッピングモール描写が凄い デイケアサービスから赤ちゃんレースまでなんでも揃う地方の巨大ショッピングモール、まさに揺り籠から墓場までと言った感じの薄ら寒さ オタクショップの店先に置いてあるキャラの立て看板の首がもがれてしまうのがシンプルに面白かった
スマイルの実家、富豪すぎてビビる 笑
愛敬さんのデザインパワー炸裂の三姉妹…ショッピングモールの屋上に陣取る少年たち…という女子男子の分かたれし世界観というのはやけに古臭い感じはした
主人公の少年の名前がさくらゆいというやたら女っぽい名前で、作画的にも男らしさ排除系統なんだけど そんな少年が顔を真っ赤にして羞恥に身もだえるカットがたくさんあって、「・・・・?」となった
ヒロインの少女は出っ歯を気にしていてマスクを常につけているんだけど、この出っ歯描写というのはディズニープリンセスのそばかす的な活かし方が今後あるだろうなと思った いきなりエフェクト(SEなし)で光る歯科矯正器具もかなり良かったし しかも2、3回やるのでもしかしてフェチか?と思った
俳句、レコード、往年のアイドルソング…などレトロなものって良いよね~みたいなノリで映画が進んでいく割に、ラストの夏祭りは歴史から断絶されたショッピングモールでの開催だし(まさに揺り籠から墓場まで…)レコード屋のロケーションは凄く良いのに若者たちがマジでレコードを片付けているだけでもったいないし…あれだけ頑張って振りの練習をしていたのに(作画めっちゃ大変だったと思うあのカット)音頭の扱いもめっちゃ雑なので古いものををリスペクトしたいのかなんなのかよく分からない 別に良いものは良いくらいでどうこう描きたいみたいな視座はないのかもしれない それすらもよく分からない これこそがイマドキってことなんだろうか…だとしたら私はそういう価値観には共感ないな、と思って乗れなかった
フライングは季語じゃないやろw
それにしても映画のラストとかに未成年の主張告白大会しちゃうの本当にやめてほしい 最近よく見る気がするんだけど私としてはこっぱずかしさしかないので…ていうか学校へ行こう直撃世代だけどまったく未成年の主張告白は心に響かんのよ なんであれやっちゃう映画が多いのかまったく分からん…
ショッピングモール、謎の屋上アジト、富豪過ぎる三姉妹の実家、団地…など画的には素晴らしいものが揃っているのにイマイチ脚本と呼応していないというかお互いに貢献し合っていない気がしてしまってもったいなさも感じはした いまいち文学的な力が足りないというか…なにか脚本段階で致命的な食い違いがあってそこをカバーして世に出した…みたいな事情を勘繰りたくなるというか
バイト先のギャル先輩が圧倒的に良かった 愛敬さんはギャルもドキュンもちゃんと自分の世界観に落とし込めてマジで凄いと思う
RyanMihawk

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