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映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコのトレバーのレビュー・感想・評価

4.5
ひよこ、、、🐥😭

一部では、「ジョーカー」並に食らった、、、
とまで騒がれていた本作、観て参りました。

可愛らしいキャラクターの皮を被った、
アウトサイダー達の出会いと別れでした。
で、それが刺さる人と刺さらない人とで
評価が分かれる感じになっていると思います。
ボクは、刺さりました。

この作品が巧いのは、子供達には自分達の大好きな
キャラクターが大冒険して楽しいから観ちゃう、
そしてちゃんと子供達にも彼らが半端者で、
さみしいから肩寄せ合って暮らしているのが
伝わるように作られているんですよね。
だから子供達も自然と彼らを応援するし、
切ない別れに泣いてしまうんです。
子供達のすすり泣く声に貰い泣きしてしまいました、、、。

で、子供を連れたお父さんお母さんにも、
刺さらないにしても柔らかな絵柄と演出、
どこか懐かしい空気、健気なキャラクター達に
優しい世界を感じて、ホッと出来る時間を過ごせますし、
ボクのような寂しいオッサンには半端者で
はぐれものな彼等が、可愛いルックスに
記号化されたアウトサイダーとして描かれ
だからこそ感情移入出来るという。

ホントねー、ひとりひとりの設定がよく出来てるんですよ。
いくらでも深読み出来てしまう。
人見知りだったり、気が弱くて目立たないようにしたり。
儚い願いが叶う事(食べてもらう事!)を夢見る者や
自分が何者か分からなくて自分探ししている者や
正体を隠して目立たないように生きる者、、、。

居場所がどこにも無くて、片隅にひっそり暮らす。
でも、心にはそこではない何処かを探す気持ちがある。
これは、まるでボクです。



半端者ゆえに、すみっこに肩寄せ合って暮らす
「すみっこ」達が、ひょんなキッカケで絵本の世界に入ってしまう。
そこで出会う、迷子のひよこ。
ひよこは、自分がどこにいたか分からない。
「すみっこ」達は、自分達の居場所に帰る方法を探しつつ
絵本の世界の、ひよこの居場所を探す。

ひよこの居場所、、、。
絵本の、最後の余白のページの落書き、
それがひよこ。
ずっと、長い間独りぼっちだった。
「すみっこ」達は、ひよこを仲間にしようとするけど
住む場所が違ってた。連れて帰れない。
帰るための出口が塞がりそうになり、
出口まで絵本の中のモノを積んで作った山が崩れそう、、、
ひよこは、小さい体でそれを懸命に支える。
あ、崩れる、、、
その時、絵本の世界から鬼やイヌ、サル、キジとかが
助けに来てくれた!
もうひよこは独りぼっちじゃないよ!

「すみっこ」達は、帰ってから絵本の最後の余白のページ
そう、独りぼっちのひよこがいるページに
ひよこの友達と、住む家を書き加えました。

もうねー、書いてて泣いてますから。

動物、子供、ロボットものに弱弱なボクは
可愛らしいキャラクターものも全然泣けてしまいます。

人は選ぶと思います。
ファンシーグッズのアニメでしょ?とか、
どれどれ日本発の「ジョーカー」って評判らしいから
観てやるか、なんて構えて観てしまっては
絶対にダメな作品です。
可愛らしい絵柄や、子供向け映画に偏見が無い方で
ハードルは上げずに観られる方でしたら
ご覧頂きたい一本になっています。

セリフがなく、イノッチと本庄まなみの
感情過多でも説明的でも無いナレーションが
とても心に染みるんです。
エンディングの原田知世の曲も余韻が素晴らしい。
「すみっこ」達が大好きになってしまいました。
ショップに行ってグッズ買いそうですw
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