Laura

チャイルド・プレイのLauraのレビュー・感想・評価

チャイルド・プレイ(2019年製作の映画)
2.0
1988年の方は未見。いろいろな事の説明がないまま事件を起こしすぎていてよく分からない話になっている。B級ホラーだろうがスラッシャーだろうが、しっかりした脚本は大事ではないのだろうか?
楳図かずおに『ねがい』という短編漫画があって、人形が主人公を襲いに来るという似たようなホラーなのだが、子供の精神的な自立と母殺しのテーマを含んだ素晴らしい作品だ。あの漫画を知っていると本作の脚本が本当に頼りない。チャッキーが製造時に憎しみをインプットされるに至った経緯からまるで納得させてくれない。補聴器も母親のネグレクトも隣人との交流も、本当は主人公の少年の孤独を浮き彫りにする設定のはずなのにまるでまとまりがない。「孤独な少年が人形と心を交わし合おうとするが、人形がやがて恐ろしい殺人鬼に変貌してゆく」というシンプルな設定を一つずつ説明してゆけばよかった。
なぜチャッキーは執拗に主人公を求めるのか? なぜ隣人は突然現れた主人公と話を合わせてプレゼントを受け取ってくれるのか? 飼い猫のくだりは必要か? なぜ守衛の男は主人公の母に惹かれているのか(変態だから)? そして自分をネグレクトしてきた淫奔な母親をなぜ主人公は迷いなく助けようとする? 観る人の胸にいろいろな疑問を残したまま進んでゆく。要所に差し挟まれるダーティワードも血しぶきもただ不快。終盤の少女の顔に血しぶきがかかるシーンに至っては悪趣味ですらある。スプラッター物を求めている人にしか刺さらないと思う。
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