むぶどん

ロボコップ ディレクターズ・カット版のむぶどんのネタバレレビュー・内容・結末

3.9

このレビューはネタバレを含みます

『トータル・リコール』に衝撃を受けて、前から気になっていた本作をチョイス。名訳と評判のテレビ朝日版吹替で楽しむべ。
撃たれても死なない"ロボコップ"。SF感強めのビジュアルで誕生の過程もかなり悲惨ながら、初めはコンビニ強盗やテロリストの確保と地に足のつく職務ばかりでコミカル。これが後半の"ロボットか?人間か?"という問いかけにも活きていて、ドラマ上でも『等身大の超人』として一貫させているのが素晴らしい。ロボコップ抹殺指令に背く警官たちを描くことで、一見トンチキな存在のロボコップにリアリティが宿るのも良かった。
とはいえ尺は約100分と短く、ルイスの生死など描くべきなのに放り出されてしまった展開もいくつか。けれども、適度に説得力を持たせてマトを絞ったおかげでマーフィのドラマはきちんと纏まり、作品的にも気持ちのいいラストに。『トータル・リコール』と同じく、バーホーベン監督によるドライ&ウェットの巧みなバランス感覚に魅せられた1本でした。