ジャックシューチャー

スキャンダルのジャックシューチャーのレビュー・感想・評価

スキャンダル(2019年製作の映画)
3.5
極上の社会派セクハラエンターテイメント!

2016年、アメリカ最大のテレビ局FOXの重役が女性キャスターにセクハラで訴えられた。
大統領並の権力を持つメディア王によるセクハラ問題。
それはたちまち全米を騒然とさせるスキャンダルに発展したのでした。

「セクハラ」という概念にほんの少しピントを合わせるだけでまあ次から次に出てくるわ。当たり前のように社内に蔓延るセクハラ文化。これがまたなんとも不快極まりない。数年前の実話とのことなんだけどつい最近までこんな有様だったのかと改めて驚かされる。

女性を人として見ずあくまで性的対象でしかない。言わずもがな最低最悪。

それでも彼女たちは自分のキャリアのため、人生のために頑張るんだけどもそんなことは人として至極当然のこと。にもかかわらず女であることがハンディになっているという、こんな理不尽があっていいのかと怒りさへ覚えてしまう。

ただここに出てくる大半の男どもがとにかくバカに描かれているのが最高に痛快!

男上司が女部下の昇進について面接をするシーン。
社のスローガンについてどう考えるか質問をされ真面目に誠実に答えようとする部下に対し男はヤることしか考えていない、かのように見えてしまうがなんとも絶妙だ。ここはほんとに絶妙な名シーンだと思う。

自分のキャリアの向上を必死に訴えても男の頭の中はエロしかなく話しが全く噛み合わない。もはやコミカルですらある。

あの時もしかしたらしてたんじゃないか、されてたんじゃないか。観終わった後は考えずにいられなくなる。
それほど本作はリアルで核心に迫っているようだった。

情報量が多いので個人的には日本語吹替えで観る方がよかったです。