トレバー

ザ・ダート: モトリー・クルー自伝のトレバーのレビュー・感想・評価

4.5
Netflix、攻めてるなー。
ボヘミアンラプソディ、アリー、
公開待ちのロケットマンと音楽映画が盛況ですが、
この映画はモトリークルーを知らないもしくは
思い入れの無い人、ロックンロールライフの
破天荒で自堕落で、でもロマンに溢れていた
時代を知らない人が観たらダメなやつです。

毒親に苦しめられ、愛に飢えていた内向的な
ロックに逃げ場を求めた男が、
ヤリチン金髪野郎、破天荒な生き方に憧れ暴走するお坊ちゃん、
病を抱え養育費に追い立てられるおっさんと
始めたバンドがあれよあれよと成り上がっていく。
栄光と挫折、女と酒・ドラッグまみれの日々。

金も名声も手に入れたが、心の闇は消えない。
名前を変えてまでして逃げた毒親に付きまとわれ
結局ドラッグに逃げ場を求めて死にかける。

常に女に満たされきらびやかな生活を満喫していた矢先に
自分が招いた自動車事故で友達を失い、
大切な1人娘を病で失い酒に逃げるしかなくなる。

バラバラになりそうになるバンド。
でも、一緒にサバイブしてきた。
兄弟みたいなもんじゃないのか?
愛と家族に飢えていたドラッグ漬けの男が、
大切なものに気付き、絆を取り戻そうとする。

自業自得だろ、弱いだけだろ、クズが。
と、今の価値基準や倫理観では思う人も
多いかもしれない。

でも、ロックに魅入られロックに救われたボクは暴走の末自らをすり減らしていった彼らを責められない。

今でも、彼らの残したロックンロールには
血が湧き踊る。最高だ。
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