コブラ

ブルータル・ジャスティスのコブラのネタバレレビュー・内容・結末

ブルータル・ジャスティス(2018年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

長い。
けど、ずっしり重力のクライムサスペンスは一般相対性理論において時が引き延ばされるらしいので3時間近い上映時間でもしょうがないのです。多分。

いやバイオレンス以外はむしろ軽やかさもあったか。クスッと笑える独特の間も多かったし。

ただ圧倒的好みのタイプではあるのに、これいるか?ってとこもちらほらある。

特に産休明けに顔面吹っ飛ばされて殺される女性バンカー(ジェニファーカーペンター)の背景を描くのは唐突に感じたよ。
確かに魂に食らうし、ショック度は増すけど、その為だけにここまで話を冗長にさせるか?
殺されゆく市井の人々の背景を描くのは良いとして、上手いかどうかは別というか。


あと、ボーゲルマンと黒塗り一派についてだけども、そもそもプロが殺すつもりのドライバーなんて雇いますかね。
不必要に銀行員殺すし。人質にしたってあそこまで連れ回す必要はないし。全然綿密な計画じゃなくて凄く馬鹿っぽく感じてしまって。
非情演出に何言ってんの?と言われればそれまでなんだけど。

ザラ監督がバイオレンス映画の新たな担い手である事に全くもって異論はないし、過去作含めて大好きですが、不必要にグロ味を入れる手癖や、人の感情を弄ぶ演出があまりに過多過剰。
あまり高尚に褒めるのはどうなんですかね。
ジャンル映画の気鋭として笑うくらいが丁度良いと思いますが。
少なくともペキンパーやドン・シーゲルになぞらえるのは笑止な感じ。
それメルギブが言ってるだけだから。

ってな事は置いといて、バディ警官モノの新作だったしやっぱりウキウキは止めらんない。警官汚職モノでもあり、悪事の思惑が狂うノワールでもあるんから嫌いになれるわきゃない。

ガラケーにパイソン4インチ(んな銃使ってるデカなんかリアルでいるんすかね)というアナクロレイシストと、意識高い系彼女のコントロール下にあるファッションデカ、という感情移入不可な二人のやり取りは最高だった。
共に因果応報で昇天したけど、こやつらのやり取りをもっと見ていたいと思えるぐらいには大好きになったので今後も繰り返し観るでしょう。


パンフレットないのが残念。
ザラ監督の過去作含めて国内円盤化されます様に。


ちなみにポスターアートでメルギブがF92持ってるけど使ってないです。マーティン・リッグスみたいな奴ではありましたけどね。
コブラ

コブラ