とも

浅田家!のとものレビュー・感想・評価

浅田家!(2020年製作の映画)
4.3
100万枚撮りのフィルムでも
撮りきれない程の想い出のひと欠片を
ありふれた今日の何処かに見つけだそう〜

コブクロのこの曲が聞こえてきそうな作品。
「湯を沸かすほどの熱い愛」「長いお別れ」の中野量太監督。前2作が好みだったので期待する反面、「長いお別れ」でも震災を扱っていたので、被ってないかなぁという心配も 。また「長いお別れ」の竹内結子と劇中内の「生きてる限り生きててほしい」というセリフを思い出してしまい、沈んだ気持ちでの鑑賞スタート。竹内結子、生で見たことあるもんで余計にね。。

しかし前半はコメディ路面で沈んだ気持ちも忘れてクスクス。中野監督のは、大笑いはせえへんけど、ユルく笑えるんですよね。この空気感好きです。湯を〜ではオダギリジョー、今作では二宮和也・平田満と、抜けた男のキャスティングと演出が上手いと思います。もちろん風吹ジュン始め、他のキャストも見事でした。

後半からは大震災で大きく方向性が変わって…。辛いんですがあったかい気持ちにさせてもらいました。実話ベースのせいか、盛り上がる見せ場というのはそんなに無くて淡々と話が進むんですが、一つ一つのエピソードに心惹かれて涙も流れました。

まぁ多少のあざとさは感じますが、あざとくて何が悪いの?とテレビでも言ってるのでセーフ!それに説明ゼリフが多い気もするけど、テネットみたいに説明なさすぎるとそれはそれで批判も受けるからセーフ!笑

中野監督は一貫して"生と死と家族"を描かれてます。東日本大震災後にみんなが「誰かと繋がりたい」と思った気持ちを大事にされてるんやと思います。観た人誰もが自身の家族を思い浮かべることでしょう。

僕も十数年ほどカメラをやってますが、家族を撮るのは恥ずかしさを感じてしまうんですよね。僕が親の立場ならまた違うんでしょうけど。でも今年亡くなったおじいちゃんの米寿や卒寿のお祝いで家族全員集まって、写真を撮っておいて本当に良かったと思いました。この繋がりを形にすることでみんながいつでも思い出せるから。

最後に。
冒頭、主人公 政志(二宮和也)の子供時代からスタートするのですが、彼が被っていたのはなんと"近鉄バファローズのトリコロールの帽子"!
ええねぇ、わかってるねぇ⚾🐂
あの二宮和也が近鉄ファンだったなんて感激です✨(実際は巨人ファンだそう😅)
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