yoko

ラストナイト・イン・ソーホーのyokoのレビュー・感想・評価

4.1
母親がフリの割に意外とコミットして来ないが、服飾の先生、バーの店主、警官の女、彼女たちは母親の代わりだ。みんな発狂してるエロイーズを暖かく見護る。ある種母親が取り憑いている。みんな40〜50才くらいの設定でちょうど親子に見える年齢だ。ミスリードではなく母親の妄想が結局出てこないのはそういうこと。

オサレなサスペンスかなと思わせておふざけ展開感な後半はマリグナントを思わせる。

最初のイメージはロンドンを舞台にしたマルホランドドライブ、いやどっちかというとロストハイウェイかもしれん、いや全部ちゃうわ!?


私たちはエロイーズが死んだアニャに取り憑かれているか、ロンドンにやられたエロイーズが分裂して闇担当の人格をアニャにしていると思い込む。

が実は生きてましたアニャ、じゃあなんで見えんねん!亡霊が見えます→それはわかる。過去の場所に染み付いた想念もみえるということか、これが彼女のギフトなのか、酒は何の意味もないのか。

マルホではなくロストハイウェイを想起したのはあれも業界に食い物にされた女がミステリーマンになってスピリチュアルパワーで旦那と若者をつなぎ併せて最後は元締めディックロラントを撃つ話。なぜミステリーマンがとどめを刺すのか?大統領や若者、ではなくミステリーマンが殺すことに意味がある(まあそれはおいといて)そういう無念が彼女に取り憑いての復讐劇かなというのが途中までの考え。

レフンにはこういうキャッチーな商売っ気が欲しいよなーと思いながら観ていたが、流石にオンとオフ、2人の、ロンドンの光と闇的な配置であるかなって思ったけど、ずっとテンションがわーきゃーできつい。レフンのなんも起こらん長回しの方が好きかもw

もう少しアニャのサクセスシーンが観たかったが早い段階でメッキがハゲる。リアルショービス😭安い役をもらい苦虫噛み潰す顔!相手に対してではない、安い役で自分を売った自分に苛立っている。その憎悪が転換する。

男もサンディをエロい女という記号でしか見てないしサンディも相手にのっぺらぼうを貼り付ける。まどマギ本編の最後の敵は魔女じゃなくておっさんの亡霊だよね。

復讐肩代わりならプロミシングヤングウーマン
土地に取り憑いてる系なら直近のサスペリア
華やかな世界の闇ならネオンデーモン

あの小学生が着る割烹着みたいなワンピースは60年代マナーではなく、体型を隠す、性差を見せないの意味。男に媚びるなのメッセージ。ビリーアイリッシュがダボダボの服着てる感じ。

あまりにもわーきゃー、ズドン亡霊!うわあー、タクシーキキィッ!が多すぎで疲れたので、もっとじっくり光と闇を撮ってくれればなあ〜それじゃマルホかな。
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