ShoIkoma

ラストナイト・イン・ソーホーのShoIkomaのレビュー・感想・評価

3.8
「どう収集をつけるんだろう?」と思うようなシチュエーションを飽きさせずに観せる。その演出力、構成力、役者に演技力が素晴らしかった。

商業的な話題作であればあるほど、そこに描かれるストーリーの真実味が気になるもの。例えば本作は1960年代と現代を行き来するが、百凡の作品なら60年代の描写は話半分で観なければならないだろう。ただ、本作はそのテーマ性故に描かれるもの、そして過去と現代が地続きであることを実感させてくれる演出で、手触り感を持って作品世界に没頭することができる。

正直力技な展開も多く消化不良な部分もあるが、これは続編が期待できる“余白”かもしれない。露骨に続編を匂わせたり、作り手側だけで「続編をやりたい!」という気持ちを暴走させたような表現よりも好感が持てる。

何よりやっぱりエドガー・ライト監督らしく音楽と映像表現が素晴らしいし、アニャ・テイラー・ジョイさんは果てしない魅力を持っている。彼女が登場するシーンだけで「観に来てよかった」と感じた。
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