ゆず

ラストナイト・イン・ソーホーのゆずのレビュー・感想・評価

3.7
イングマール・ベルイマン『ペルソナ』(1966)のようなふたりの女性や感情転移の物語。ふたりの異なる人物が感情転移するという展開には興味深いものがある。

『欲望のあいまいな対象』(1977)
この映画では、ひとりのキャラクターをふたりの女優が演じていて、シーンが交互に切り替わっていく。だからフラッシュバックに入ると、主役の女優が別の人になるような映画があったらどうなるのか、と頭の中でずっと考えていた。

『反撥』(1965)
『赤い影』(1973)
『ダーリング』(1965)
『欲望』(1967)
『夜空に星のあるように』(1967)

「ツイン・ピークス」のオリジナルシリーズ(1990-1991)
『デューン』(1984)
『マルホランド・ドライブ』

タイム・トラベラーというわけではないので、決して未来を変えることはできない。つまり、エロイーズは精神的な繋がりなどを通して、他の人の記憶を夢の中で再現しているに過ぎない。
 自身が体験した不思議な夢を映像化してみたかった。僕は視点が切り替わる夢をよく見る。鏡を見ると別の人になっていて、それがまるで自分自身であるかのような錯覚に陥るみたいなこと。

タイトルの案として“Red Light Area”や“The Night Has a Thousand Eyes”というものも挙がった。

過去にロマンティックな思いを抱きすぎて、その裏にあった悪いことから目を逸らすことの危険性。 
ペトゥラ・クラーク、ダスティ・スプリングフィールド、サンディ・ショウ。
エロイーズが60年代のストリートに踏み出す時、映画のサウンドが突然、サラウンドに切り替わる。オズの国でモノクロからカラーに変化した『オズの魔法使』の音声版といったところ。60年代には、成功を夢見て大都会に出てきた若い女の子が、その大胆さゆえに徹底的に痛めつけられるような映画がたくさんあった。とても道徳的でセンセーショナルに思えたので、そんな映画を現代と60年代の時間軸とを組み合わせて作れないかと思った。

そこまで好みじゃなかったな
ゆず

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