小さくまとまってるけど十分に楽しませてくれる、イギリス映画らしい作品だった。そしてホラーテイストだけどホラーではない。ホラー苦手だからどうしよう…と悩んでいる人には「ホーンテッドマンション乗れるくらいなら大丈夫だから見てみて」と伝えたい。
霊感の強い田舎育ちの女の子がデザイナーになることを夢見てロンドンに上京。しかし都会は怖いという先入観や文化価値観の違いなどに耐えられず寮を出て古いアパートの一室を間借りすることから物語は展開する。
都会の魅惑的な部分(夢に現れる女サンディが象徴？)とその代償とも言える陰の部分(サンディの夢を壊す男たちや社会構造が象徴？)。その両面に触れて感化されたり悩んだり疑心暗鬼になったりするのは、独り立ちした十代の少女の成長ストーリーにも見えた。この映画は霊が出るしミステリー要素もあるけど青春映画なんじゃないかな、なんて思った。
鑑賞後、映画に出演していた女優二人が60年代007シリーズのボンドガールを演じていたと知り、彼女たちの若き美しき時代の写真を見たらまたよい余韻が生まれた。
