ボインゴまちお

ラストナイト・イン・ソーホーのボインゴまちおのレビュー・感想・評価

2.5
【見られることにどこまで耐えられるか】

-注目ポイント👀-
①ソーホーのネオン街
②2人の女優
③見られている恐怖

①映画観るまでソーホー(Soho)がロンドンの地区とは知らなかったが、夜のネオン街やパブの雰囲気で場酔してしまいそうな不安定さと魅惑を兼ね備えた場所だった。主人公の住む屋根裏も外の明かりが差し込み、怪しげな雰囲気を作るのに最適な環境だった。

②幼さと華麗さを同時に持つ女優としてアニャもトーマシンを抜擢した監督流石すぎた。この作品は、意外と話も単純なので画面の美しさ、「映え」でいえば完璧な映画。

③男性の視線がとても強調して作られていて、女性側も過剰過ぎと言えるほど反応するので主旨が分かりやすかった。まだまだ男性と女性で受け取り方に差がありそうな映画だなと考えさせられるほど社会的な側面も強い作品。

-感想✍️-
「鏡に幻影が見える」という特殊な力がある主人公が、進学先のロンドンソーホー地区で数十年前に生きていた女性の過去を夢の中で追体験していく話。華やかな世界を夢見る過去の女性の味わった現実に、自分の未来を重ね不安になる部分がソーホーの街を舞台に作られていてとても良かった。

-気になった点🤔-
元々の設定だと「鏡に幻影が見える」という能力だったのに、いつしか悪夢として見たり、鏡がなくても見えたりと霊感ばり強い人になっていたのでそこら辺が演出の都合とかだと残念。また、主人公目線で考えれば霊が見え、現実にも影響するし、馴れない暮らしという不安で精神的に不安定になる気持ちはわからなくもない。その一方で、周りの人からすると頭のおかしな人という印象を持たれかねない行動に置いてけぼり感が否めない作品でもあった。