はなたまご

ナイル殺人事件のはなたまごのレビュー・感想・評価

ナイル殺人事件(2022年製作の映画)
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 アガサ・クリスティ原作、悠久の歴史流れるナイル川で起きた愛憎劇を灰色の脳細胞、エルキュール・ポワロが解決する。
 前回鑑賞した『オリエント急行殺人事件』に引き続きとても面白く、ラストもとてもドキドキした。端的に言うとすれば愛に翻弄された人々の悲劇を描いた作品なのだが、エジプトという土地がそれをさらにドラマチックにしていると感じる。アガサ・クリスティ作品を読んだことで中東への憧れがある私にとっては、「エジプト行ってみたい・・・」という思いが強まる作品でもあった。もう一つ、別に映画とは全く関係ない知識だが、思い出したことがある。アラビア語の「جنة(ジャンナ)」は「天国」や「楽園」を意味する単語だが、この単語を構成する語根の動詞「جن(ジャンナ)」は「狂う」とか「何かに憑かれたようになる」といった意味になる。人を狂わすような愛は果たして人間を楽園へと導くのだろうか。この映画を見る限り、答えはNoだろう。