はなたまご

ベルリン・天使の詩のはなたまごのレビュー・感想・評価

ベルリン・天使の詩(1987年製作の映画)
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人々に寄り添い、その心の声を聞き届けてきたベルリンの天使たち。その1人である天使ダミエルが人間の女性マリオンに恋をする。
長いモノローグや哲学的なセリフ回しによって人間の思考の深さが表現されており、見ていてかなり頭を使った。”Als das Kind Kind war,・・・ (子供は子供のとき・・・)”ではじまる哲学的問いが特に深く、大人になることは凡人になることなのかとさえ思えた。子供達には天使が見えているが大人には見えない、という表現も面白かった。
ダミエルは愛の自覚を通じて人間として生きる決意を固めた。人として生きることは天使として生きることよりも素晴らしいのだろうか。自分の肌で目の前の事象を感じ取り、考え、時に人を愛し、時に血や涙を流す。人としての営みを振り返り、感謝と内省を繰り返すことが必要だろう。