はなたまご

ムーラン・ルージュのはなたまごのレビュー・感想・評価

ムーラン・ルージュ(2001年製作の映画)
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19世紀終わりのパリ。貧しい作家のクリスチャンと高級娼婦サティーンの恋を描いたミュージカル作品。
キャバレー「ムーラン・ルージュ」の夜は怪しく情熱的で色欲にまみれたドロドロ感があるが、惹かれ合ってゆく二人の周りの空気は澄んで綺麗な感じがして印象的だった。映画というよりは本当にショーを見ているような感覚で、ドタバタコメディのような動きもあれば、ロマンスや心の機微を捉えた静けさもあり、緩急のある展開がよかった。
なぜか分からないが、永井荷風の小説「墨東奇譚」を思い出した。パリのキャバレー、東京の玉ノ井、まったく毛色の違うふたつだが、日本とフランスそれぞれの花街や私娼窟の歴史を調べてみるのも面白いかも、と思った。