輪

シュヴァルの理想宮 ある郵便配達員の夢の輪のレビュー・感想・評価

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シュヴァルはフランス語で馬を表す通り、
馬のように頑健な一人の男の人生を
注ぎ込んで建てられた手づくりの建築を
通した、連綿と続く愛のストーリー。

最初は彼だけの芸術の世界だったが、
大切な人々への愛情が象られ始める。

シュヴァルは今で言うASD(自閉症
スペクトラム)だったのだろう。
周囲からは奇異に思われる言動がある
ものの、ひたすら朴訥で恐るべき集中力を
持っている。

何か、途方もないことをやり遂げる人は
ASDの片鱗を感じる。
ASDは才能。

娘への喪失感で向かう川のシーンが、
とても悲しかった。
悲しみを越える為に必要だったのが、
こつこつと建築を続けることでもあった。

好きな作品の一つ。
本、DVDを購入した。
いつか彼の理想郷を
実際に見に行きたい。
細部まで、子孫への愛情が宿っていること
だろう。
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