輪

オテサーネク 妄想の子供の輪のレビュー・感想・評価

オテサーネク 妄想の子供(2000年製作の映画)
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シュヴァンクマイエルも好きだし、
チェコも好き。ヨーロッパの民話も大好き。
狂った想念も興味深い。

ということで、映画記録文100本目は
オテサーネクに決定。

不妊からリボーンドール(赤ちゃん人形)を
持つ人はいるし、絶望や疲弊から切り株に
空想上の命を宿らせる人もいるだろう。

妄想、妄念。
生きるに当たってバランスを取る為に、
精神を狂わせる。

生きることはグロテスクだと、
色々なシーンが伝えている。

たとえば食事シーン。
シュヴァンクマイエルが食事を
好きではないことも関係して、
とかく変なふうに描かれている。

私もあまり「食」が好きじゃなかったので、
ちょっとわかる。
食べることは、他の命を殺すことでもある。

生命力=性欲求という形で、
年輩の人の気持ち悪い性癖や
それに勘づく少女の嫌な感覚も描いている。

性的な事柄は、グロテスク以外の
何ものでもない。

これらを映画という芸術の集大成で
表したもの。
滑稽で可愛くて、不思議で不気味で
美しくて気持ち悪い。
悪夢なのに、何度も観たくなるような作品。
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