もちごろう

主戦場のもちごろうのレビュー・感想・評価

主戦場(2018年製作の映画)
1.0
慰安婦問題について、一方を歴史修正主義者と定義し、自分たちに都合の良い主張のみをただ説明するだけの映画でした。この問題をよく知らない方々には響くのかなと思う。証言だけではなく、証拠と法によって世界は回っていると社会の成り立ちを理解していれば、同意できる内容ではないかと思う。

自分にとって不都合な情報は無視して出さない(慰安婦問題について無知な場合、気付けない可能性あり)、証言利用を駆使して(強制性を立証する一次資料、史料はない。←ちなみにこれも政府の捏造や隠蔽のせい=自らは何も立証せず、反対側には立証を求める時点で論理破綻)、当初の日韓慰安婦問題を人類の人権問題に切り替え、誰も否定できないテーマへの普遍化を図り、最後は実は国民は危ない政権に騙されてるよ?右派のやばさ知ってた?との結論展開。。。

いやはや、やっぱり朝日新聞が「従軍慰安婦」を誤報しなければ、こんなことにはなっていなかったのではと(ちなみにこの誤報訂正も、監督曰く、政治的圧力の結果だそう...とほほ)。国際的に見ても、1965年の日韓条約を韓国政府が反故にし続ける方が問題と思うけど、慰安婦も徴用工も、、というのが率直な感想。

戦争の中で辛く苦しい思いをした人たちの気持ちを思うと報われてほしいと思うし、人権はもちろん尊重されるべきだと思うけど、で、やっぱり国家責任を問えますか?という点は何も立証されず。繰り返される感情論と、争点になる強制性などはこれまで議論され尽くした想像の域を出ず。

現代の価値観で、昔の出来事を判断する感覚、他国が他国をジャッジする感覚も共感できず。。人道主義、人権だったり、現代人が享受して当たり前の概念や権利も、別に今の現代人が偉いわけでなくて、どこの国が偉いわけでもなく、、、当時の社会背景とか各国の文化、置かれた立場とか丁寧に考察して、理解したいところ。

いやはや、クリティカルシンキングとメディアリテラシー、本当に大事ですね。左派も右派も、何事においても、自分の前提バイアスを疑う、結局これが一番難しいですよね。一方、プロパガンダをプロパガンダと気付けないこと、これはこのご時世、本当に致命的ですね。切り取り映像とか演出にコロッと感化されないように、自分自身気をつけたいなと思いました。

映画.comでは、ちゃんと賛否両論あるけど、Filmarksでは高評価ばかりで、これは利用者層の違いなのですかね。。。

R5 10本目
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