みんと

華麗なるギャツビーのみんとのネタバレレビュー・内容・結末

華麗なるギャツビー(1974年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

バズラーマン×ディカプリオ版を公開当時に観て、ドロッドロな人間関係と虚無感を残す展開に大衝撃を受けた「華麗なるギャツビー」。ずっと気になっていたロバートレッドフォード版も鑑賞。

きらりと光る高級品や瞳とは相反する、ロバートレッドレットフォード演じるギャツビーの純愛と運命のコントラストが良かった。リメイク版との比較が出来るほどは覚えていないので、近々再鑑賞したい。

1920年代の貧富の格差のあったアメリカが舞台であるが、上流階級のデイジーたちの「お金・安定を選び、保証のない愛は選ばない。」という生き方、そして、貧乏で妻に不倫され「神は見ている」といっていたウィルソンと純愛に命を懸けたギャツビーが、上流階級の人達の無慈悲や勝手な正当性に殺されるということが、時代背景関係なく、いつみても「人生そのもの、世の中そのもの」という感じ。トムとデイジーたちは、その後もずっと自分の非を認めることは無い、というか気が付かずに自己中心的に生きていくんだろうな。

また、「女性の生き方」が描かれているのも好き。
印象的だったのは、「女の子は美しいおバカが最も幸せ」というデイジーのセリフと、「人生は一度しかないもの」とトムとの運命的な出会いの瞬間を思い出して号泣するマートルのセリフ。そして、男3人が車の前に立って「女はわからない」というシーン。
彼女たちの女性としての生き様は、波乱な時代に生き残るための賢さなのか、ただの私利私欲を正当化したずる賢さなのか。

みんなが憧れたアメリカンドリーム。しかし、富を手にしたものの中身は空っぽで人間性を欠いた人間、あらゆる手を使い一人の女性への純愛を貫いても報われることは無かった人間の2パターンを見て、「ドリーム」って何だろう、ニックの父の言う「恵まれない人、恵まれている人」って何だろう、と感じた。

一番印象的なシーンは、ニックの「ギャツビー、君に比べたら連中はくだらないよ。束になっても君には敵わない。」というセリフと、それに対して向けたギャツビーの何とも言えない笑顔。そして、ギャツビーの父に名乗る前に「(ギャツビーの)親友です。」と答えるニック。

愛されることに溺れてはいけない、愛する人を間違えてはいけない、ということですね。
みんと

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