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地上の輝きのyのレビュー・感想・評価

地上の輝き(1969年製作の映画)
4.0
アバン・スタッフロールがお洒落な監督第1位をギィ・ジルに贈呈したいくらい、どの映画でも導入が上手い。大袈裟な身振り手振りと口調でパリの観光案内をする女性の言葉と、かつてのパリの風景を捉えたスチールショット、そしてそれをあざ笑うかのように、ベンチに座る2人の青年と1人の女性の物語へと矮小化していくオープニングが凄すぎる。

母の死をきっかけとしてこじれていく父親との関係も相まって、住んでいるパリを離れて自らのルーツとなる母の故郷であるチュニジアへと旅をする青年が、彼の母を、そして彼を知る他人たちとの邂逅を果たす。
一貫して美しい撮影なのだが時折度肝を抜かれるようなポップ演出が入り込んでくるので油断ならない。最終的には「死」というものが彼を再びパリへと引き戻すことになるのだが、「行って帰ってくる映画」として実によく纏まっていると思う。
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