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ミッドサマーのyunoのネタバレレビュー・内容・結末

ミッドサマー(2019年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

久しぶりに魅入った作品でした。
民族における原始宗教を題材としている点
、琴線に触れてました。
理由としては、一見不合理で理解できないものだが、その民族では道理が通っている行為が描かれているからです。
これによって、現代の価値観を相対化し、自分の中にある思想を再認識することができました。
そして、古代ルーン文字やオーディン信仰といった実在したものを散りばめることで、リアリティを出ていて物語に入り込みやすかったのかなと思いました。

また、スウェーデンの歴史として、12世紀までキリスト教圏ではなかったとのことです。その舞台において、登場人物の「クリスチャン」に不浄である熊の毛皮を被せて、他の生贄より低劣な扱いをするところは皮肉が効いてて面白かったです。

ホラー映画としてもかなり楽しむことができました。
白夜という、状況的にはまさにホラー映画の対局にある状況下であそこまでのホラーを演出できるとは、さすが今話題の監督ですね、感銘を受けました。
色味はパステル、空は明るい、住民は狂っておらず怪異の類は存在しない。
原始宗教の祭りに参加した人々を描いてここまでのホラー映画に昇華させるとは思ってもみませんでした。

ウェブサイトにしっかり考察用のネタバレページがあるので見終わった後もまだ楽しめる、素晴らしい作品であったと私は思いました。

個人的には苦手ではないが、グロ表現や裸体の露出がちょっと多いかなと思ったため-0.5します。
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