この映画の構成は、物語の舞台となるホルガ村に「行く前｣と「行ってから｣の2つのパートに分かれる。
映画前半部は、主人公ダニーの不安定な精神状態や、これから起こることに対する不安を鑑賞者に伝えるための映像作りに終始している。
・イマジナリーラインを超えるカット繋ぎ
・天井からの真俯瞰
・天地を逆さまに撮ったショット
・強コントラスト
・鏡を使った折り合わない会話の表現
(会話相手同士の視線が合わない)
主人公が村に到着して生活する後半のパートでは、これまでとは一転して安定したカットが増加する。舞台の背景も一転して透き通った明るい画面が増える。
これと対比するように村の住民の狂気性が徐々にあらわになっていく、という作りが面白い。
-ホルガ村=良い共同体=良い恋愛
共に泣き、共に笑い、共に苦しむ。視点の共有、感情の共有こそが良い共同体の在り方であり、よい恋愛の在り方である。
