Ryo

ミッドサマーのRyoのレビュー・感想・評価

ミッドサマー(2019年製作の映画)
4.1

■アリアスター自身の悲しい体験を基にした映画
アリアスターは昔弟を亡くし悲しみに暮れていると最初は優しかった恋人も次第にめんどくさくなり捨てられたという。その時の気持ちをそのまま今作に反映させました。


■アッテストゥパンの意味
北欧の先史時代に儀式の棄老が行われ、高齢者が自分自身を投げたり、投げられて死んだ場所を示していると思われます。伝説によると、これは高齢者が自立したり、家事を手伝ったりすることができなかったときに行われました。

■ペレの行動
あくまで考察ですが、主人公に電話した非通知の人物はペレで家族を殺したのもペレ。誕生日に祝祭に呼び彼氏を差し置いて自分だけ主人公に誕生日プレゼントを渡したりキスをしたりホルガのみんなが家族と言ってくれたりというこの行動はホルガが新たな家族だと認識させ仲間に入れる為だと考えられます。

■今作で出てくる9という数字
9日間の90年に一度の祝祭では9人の犠牲を必要とするように9にまつわる数字がたくさん出てきます。
神話に出てくるアスガルドに繋がる9つの世界や文化的な意味もあるかと思いますが英語で「Cats have nine lives 」ということわざがあります。意味は「中々死なない」猫が高いところから落ちても死なないのは9つの魂を持ってるからと言う事から作られたことわざである。
更に「Curiosity killed the cats」という好奇心は猫をも殺すという諺もあります。これは誘惑に駆られて好奇心を出すと痛い目に遭うという意味です。
これはまさにミッドサマー内の男たちのことを指しています。




■ラスト
家族や彼氏など何かに依存体質のあるダニーは何かにすがってないと生きていけませんでした。
そこでラストは見事あの民族にすがり、ハッピーエンドとなったのです。

■最後の主人公の笑顔の意味
この映画ではみんなが一つとなり感情をも共有していました。おじいさんが崖から飛び降りて死ねずに怪我をした時、性行為をしてる時など周りも一緒になって痛がり、気持ちよくなっていました。
これまで孤独で本当の友達と言える人もいなく夢でさえみんなに裏切られる始末。今まで1人で苦しんできたけどこの村ではみんなが一緒に苦しんでくれるんだ。やっと新しい家族を手に入れたという笑顔でしょう。
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