ゆん汰

ミッドサマーのゆん汰のレビュー・感想・評価

ミッドサマー(2019年製作の映画)
3.8
評価の高さや、予告でソワソワしてしまい劇場公開まで待てなかったので、米Amazonにて輸入盤を購入し鑑賞。

正直前作の『ヘレディタリー』では全体的な暗さや途中までの過程等は良いものの後半の展開についていけず、ホラーとしてそんなに楽しめなかったが(ただ妹のシーンは凄い)、今作は『ヘレディタリー』とは違い北欧に広がる緑の映像美に加え、明るいシーンを多用しまるでおとぎ話の世界。
内容も結局は残酷なおとぎ話なんだけど、『マニアック2000』と『ウィッカーマン』を足してそこにアリ・アスターの才能をぶち込んだテイスト。言うなれば、1960〜70年代のカルト映画を踏襲し、そこに2019年の倫理観が新たに加わる事で一周回って逆に斬新でもある。

どこかで来るとは思ったけどこの監督、全裸好きだよね。前作でもここで!?ってとこで全裸だったし…
日本公開版はR-15になっていたのでボカシ入れるのかな?

個人的には上品なエログロカルトホラーという位置付け。カップルでポップコーン片手にわちゃわちゃしながら怖いのが見たい!なんて軽い気持ち見ると良い意味でも悪い意味でも肩透かし食らうかも。

ただ近年作られたこういったジャンルの中でも上位の作品であることは間違いないし、30年後はカルト映画として確実にホラー史に名を刻んでいると思う。

今作は147分というホラーにしては長尺だが、最初に出来た時は225分だそう。どんだけ監督伝えたい事が多いんだ。それもあってか度々ぶつ切りな所も感じてしまったので、是非次は劇場公開版より24分長い171分のディレクターズ・カット版を鑑賞したい。たまには長いホラーも良い、ディレクターズカット版よ、日本に来てください!
ゆん汰

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