このレビューはネタバレを含みます
あっ、、、今年まだ映画館に行っておらず
1本目が、まさかのこれだったのかと先程気付きました、、、
以前からヘレデタリー、凄い凄いと聞いていたのですが、いまだ見ておらずアリアスター監督
デビューは映画館でと相成りました!
予告を1度見ただけなので、予告で不穏な空気は感じつつもほぼ知識なしで鑑賞致しました。
アリアスター監督評としては、シンプルに監督としてカメラワークを大事に 脚本は丁寧に CGに頼りすぎない 演者にも丁寧に指導を 音響は効果的に 等とても技術と才能と撮影オタクであろう事が見て取れます。
とくに音響は、本当に効果的に使われていて
嫌な予感を盛り上げてくれました。
クライマックスに向けては、演者、全員の声も
音響効果として利用しており
映画好きな方なんだなあと関心致しました。
さて、ここからが問題のストーリーです。
アリアスター監督が、現実の世界で女性に振られてこの話を思いついたそうですが
まあ、なんとも性格の悪いお話です。
主人公のフローレンスピュー演じるダニーが
絶妙な可愛くなさと、絶妙な何となくムカつく感のキャスティングが本当に絶妙で監督の底意地の悪さが垣間見えます。
逆に、ジャックレイナー演じるクリスチャンは
マイティーソーに似た、マッチョなイケメンで
ストーリー上も彼女が依存していると言う設定に納得がいくものでした。
他の演者もキャラが立っており、そういう所も
本当に丁寧に作ってあるなと思います。
ですが、多分この作品はラスト20分を思いついて逆算で作ってる構図だと思いますので
大学の論文の為に残ると言う設定は、やや無理があったかも知れません。
クリスチャンが急に論文のテーマをこれにすると言うのも、ここに残る理由付けの為
キャラクター的にも強引に感じました。
この映画の1番特筆すべきことは、場所の説得力です。スウェーデンの空港から車で4時間の位置であり、完全に外部と接触を絶ってるわけでもなく
また、建物の大きさや位置関係や 材質等が本当にリアリティがあって素晴らしいです。
とにかく偽物、作り物感が全くないのです。
だからこそ、ラストに向かうにつれ
恐怖が徐々に迫って参ります。
時計を見てないので分かりませんが
開始1時間後くらいに、儀式の第1段階が行われます。
それは、あまりにストレートな描写でこの映画の行く末が決定づけられた瞬間でもあります。
もう、この世界からはエンドロールまで逃げられないのです。
やはり、衝撃的なシーンの後は皆
右往左往するのですが
他の映画と違う所は逃げようとしない所です。
他の文化だから理解しよう。論文の為に残ろう。そもそも故郷である。
監督が1番難しいと感じた所かも知れません。
個人的には先に述べたように違和感を覚えました。特にダニーがここに残るべき理由が自分には分かりませんでした。
その後、聖木にションベンした友人と経典の写真を撮った友人が行方不明になります。
この当たりの描写はありがちで特筆すべき事は特にないです。
あっ、1点!犬神家っぽい死体の表現があります!
そしてクライマックスに向けてダンスが始まります!村の若い女性30人くらいの中から、1番最後まで踊り続ける事ができたら女王になれるのです。
その踊りの最中に、彼氏のクリスチャンが村人とのSEXに誘われます。
そこが今作、1番の問題シーンです。
20歳くらいから60歳くらいの女性10人くらいに
見守られ、応援されながら事に及ぶのです。
そこであえぎにまざり、10人くらいの女性も
あーあー 言うのでつい、吹き出してしまいました。監督の意図は分かりませんが自分は笑ってしまいました。少なくとも甘美でも美しいシーンでもなく 下らないシーンです。
そして、新しくないんです。最近の復刻サスペリアやロブ・ゾンビのローズオブセーラム等
SEXと宗教でインパクトもたせるならもっともっと工夫しなければならなかったと思います。
監督34歳!若さを感じたシーンでありました。
そしてその後も、クスリで脳を混乱させるのですが中途半端なCGも使ってしまいます。花が動いたり、食事が動いたり 今作は本当にCGとの相性が悪いので個人的にはいらない演出に思えました。
そしてラストこの祭りの集大成です。
ダニーがダンスで勝ち残り女王になります。
そして、生贄9人のうち8人は決まっており
ラストひとりをクリスチャンか村人
どちらにするかを決めます。
ここはとても緊迫するはずのシーンなのですが
セックスのシーンで緊張感が溶けてしまって
いるため、リラックスして鑑賞できます。
勿論クリスチャンが選ばれます。
その後とてもエグいシーンがあります。
理由なんかありません。ただ監督が思いついたグロいだけのシーンを宗教に押し付けただけです。
映像的には焼け落ちるシーンなど、とても綺麗です。
最後にニヤリとするシーンでの終わりも凡庸です。
総評になります。
本当に惜しい作品です。歴史と記憶に残るのは
間違いない作品ではあると思いますが、SEXのシーンの致命的なミスは作品そのものを壊してしまったかも知れません。
現にTwitterのタイムラインでもコメディーと評するご意見もお見受け致します。
自分が鑑賞した限りコメディーに見えてしまっただけでコメディーとして撮ってないように思えます。
そしてこれは紛うことなきホラー映画です
太陽が眩しいと言う事はとても新しいと思います。
明るい画面が美しいホラー映画
あまりありませんよね
ですがこれはホラー映画です。
ジャンルを壊すほどには至ってないと思います。
ですが間違いなく才能が図抜けた方ですので
次回作も必ず映画館で鑑賞致します!