メガメガ

ミッドサマーのメガメガのネタバレレビュー・内容・結末

ミッドサマー(2019年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

〜あらすじ〜
妹が両親と無理心中したことでトラウマを植え付けられてしまった主人公(ダニー)は、彼氏(クリスチャン)が友達の故郷で行われる式典に参加するという話を聞き、同行することを決意。
一見、明るく見えた少数民族の式典だが、一緒に時間を過ごしている内に、その異様さに気付き始める。

以上があらすじになります。CMを見て雰囲気がどストライクだったため、鑑賞したのですが、内容は想像以上に不気味なものでした。笑
まず、民族の風習が、「女性の陰毛を料理に混ぜ、意中の男性に食べさせると惚れさせることが出来る」、「近親相愛を意図的に行わせることで障害児を産んでもらい、その子に神託者としての役割を担わせる」といった具合に、恋愛や性的行為というものが、共同体の為だけに存在しているようでした。
こうした共同体意識は、「ある程度の年齢(70歳くらい)に達した者に、満身創痍の状態で生まれ変わってもらうべく、自ら命を絶たせる」、「死者の人肉を皆で食べる」
といった風習にも表れており、彼ら少数民族がいかに、輪廻転生を重視しているかをひしひしと感じました。
家族を亡くしたばかりの主人公にとって、こうした共同体意識は心地良かったようで、だんだんと彼らと同化していってしまいますが、僕はこういうところにカルトの恐ろしさがあると思います。
精神が病んでいる人にとって、宗教というものはいわば、心の拠り所のようなものです。ただ、支持者が彼ら・彼女らを取り込むのはあくまでもその宗教の繁栄のためであり、個々人のためを思っている訳ではありません。(結果として、主人公以外の彼氏・友人達は生贄として捧げられました。)
本作は、宗教の危険性を、見栄えの良さと内実の恐ろしさとのギャップから対照的に描いており、一種の教訓とも受け取れました。
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