極めて興味深い作品。
冒頭で主人公の性格をはっきりさせて、それを所々でしっかり使う。
そしてそれらがただのキャラ付けではなく、ストーリーの要所で活きてくる。
普通と言えば普通ではあるが……
白を基調とした服装、色とりどりの花、笑顔の住民。
好意的に受け取られる要素ばかりなのに、集落に入って以降一貫して、言い知れない怖気を覚えさせるのが素晴らしい。
度々画面が部分的に歪み、観ている者に潜在的な不安も与え、ストーリーに引き込む一要因となっている様に感じる。
常に笑顔で接してきて、相手に「空気を読む」ことを無言で強要する というような演出から鑑みて、閉鎖的な村社会に対する認識は世界でもあまり変わりはないのかもしれない。
客観的に見て特殊な戒律がある信仰を持つ方が、この作品を観てどう感じるのかを考えると、非常に興味深い。
ちなみに、この作品に対してリアリティを追求するのは野暮というものだ。
グロ要素自体に、そこまでの重みや必然性を感じられなかったのは若干残念ではあったが、
序盤で浮かんだ疑問が、終盤でちゃんと解決したので、割とスッキリした感がある。
