エンドロールが終わって明るくなりかけた頃から、ざわざわと空気が揺れた。何というものを観てしまったんだ、とコロナの影響で少ないはずの客席から漏れてきた嘆息であろうか。ホラー映画の括りではなかったっけ？と自問するけど、答えはない。カルトムービー特集って昔見たっけな。とにかく狂気という言葉で単純に置き換えられるものではない。
自分映画史的にはアレハンドロ・ホドロフスキーとドゥシャン・マカヴェイエフが思い起こされた。最後のアレはタルコフスキーのサクリファイスか。スウェーデンが舞台であることと所々の長回しもサクリファイスを想起させる。
降りかかった悲劇からダニーの気を紛らわせるためにスウェーデン旅行に誘ったのが運の尽き、という結果論。そもそもアメリカでの出来事って構成上必要だったか？ディレクターズカット版はもっと説明的らしいけど…
久しぶりに衝撃的な映画だった。あかんやつやろ。
追記：先達の皆さんの論を拝見すると、アメリカでの描写は必須だったのだな、と。もう一回見てみないと…
