ねね

令嬢ジョンキエール -愛と復讐の果てに-のねねのレビュー・感想・評価

3.8
今晩のフランスの地上波でやってましたので寝る前に鑑賞。コメント欄で皆さんが「女たらしのモテ男であるはずの侯爵が何でこんな冴えない小太り中年?」と盛んに指摘。いや違う!これぞまさにフランスのモテ男の典型なのです。じわっと来る円熟した色気を解って欲しい。あと「衣装や調度が地味。低予算?」えーと、ここは宮廷じゃなくって一般貴族の自宅です。服は普段着です。まあともかく俳優に台詞を喋らせて全てを説明しようとする演出なので台詞が多すぎて集中せざるを得ず結構疲れました。あまつさえ気取った貴族の言い回しのエクスチェンジ。原語は美しいので尚更。

以下ネタバレ



未亡人の貴夫人と金持ちでかつ非常に良い男である独身侯爵が戯れな恋を数年したのちにお互い空回りで疲れましたと。勝手に軽く扱われ振られたと思った未亡人は復讐を企みました。そこで見つけたのが良家の出ながら貧困に陥り訳ありの生活を強いられている母と娘。そう、美人局で侯爵を罠にかけて破産させようという魂胆。この娘さん、ジョンキエール令嬢は登場場面から壮絶な気品と美しさで圧倒します。しかしなんとこの娘さんが心が清く正直な感情を隠さないのです。侯爵にとってはやっと出会えた宝物となりましたとさ。

一部始終を知った未亡人の最後の台詞、
Mon cœur est en paix 「心は安らかよ」
というのは強がりとも本音とも取れましょう。

三島由紀夫が好きそうな物語だと思いました。
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