しろくま

ベスト・オブ・エネミーズ ~価値ある闘い~のしろくまのレビュー・感想・評価

4.5
自分の娘や息子が傷つくことがわかっていても親の力ではどうにもしてやれないことってある。その時感じる無力感。

私にも病気の兄がいたからよくわかる。代わってあげたくてもそれは無理だし守ってあげたくても助けてあげたくてもそれも叶わない。1970年代の南部の黒人の親たちは子供に対してその感覚と同じ感覚を持ちながら子供を育てていたんだ😢人種差別から我が子を守る術がないのだから。

1971年アメリカはノースカロライナ。ある地域の学校で人種統合するかどうか市民による議論の上で行政決定がなされるという画期的な試みをすることとなった。KKKの地域支部長まで登り詰めた白人至上主義のC.P。困った人がいればほっとけないお節介おばちゃんのアン。2人は対立しっぱなし。だけど言いたいことを思い切り言い放って自分の中に確固とした正義を持っているこの2人はホントは似たもの同士なんだ😆ただ2人はこの時代の白人と黒人で出会うきっかけもお互いを深く知るきっかけも持つチャンスがなかっただけなんだ。

スリービルボードの時と同じくサム・ロックウェルが最高にカッコ良かった。映画の序盤と終盤では全くの別人のよう。実話でまさかこんな展開⁉︎いやこんな展開だからこそ映画化されるしみんなの心を打つんだね😌人種差別を扱った映画でこんなに爽快な気持ちになれるなんて思ってませんでした。
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