ヤマダタケシ

君の誕生日のヤマダタケシのネタバレレビュー・内容・結末

君の誕生日(2018年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

2024年3月 U-NEXTで
・突然息子を失ってしまった家族が、その喪失と向き合うまでを、本当にそれを描いて行く映画。
・家族だけでなく、友人・同級生らがそれをどう受け止めるかもうっすらと描かれる。最後の誕生日のシーンはみんなずっと号泣していて、そのシーンだけを観たらしらけそうなのだが、直接的じゃ無く、しかしそれぞれの人物が喪失感と向き合っている姿を見ているからこそ、それぞれが自分の喪失感について話すシーンに響くものがあった。
・夜、外でふざけ合う中学生の姿を見てからの、家に息子が帰ってくる、を想像してしまうシーン。後半に行くにしたがって現実に死んだ息子の姿が入り込んでくるのは、特に父親の視点からすると、ちゃんとその喪失に向き合えるようになったからだと思う。
・ずっと悲しみから抜け出せないことが周りに与える影響も描いている。特に、死んだ息子のために服は買って来るが、何も買ってきてもらえない妹の姿、そのあとの「魚は食べたくない」の流れは、死んだ人に囚われるあまりいま生きている人に目を向けられないことを描いてもいた。
・壊れたライトの演出。