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幸福路のチーのtaominicocoのレビュー・感想・評価

幸福路のチー(2017年製作の映画)
4.5
ネトフリにて、本日から配信です。

台湾の民主化運動の空気感を伝えつつ、一人の女性の人生をエモーショナルに紡ぐ、大人も唸る大秀作アニメーションでした。

1987年、台湾の戒厳令が解除されて、民主化運動がスタート。1999年の台湾大地震、初の政権交代、ラストは、2014年のひまわり運動🌻を匂わせて終わります。

突然ですが、とある台湾のアーティストが好きです。彼は度々政治的な発言をして、本土で決まっていた仕事を下されたりしています。

ファンとしてはヤキモキしますが、台湾の人はこういう経験があるから、国の行く末を自分ごととして真剣に考えるし、行動するんだなって、なんだかすごく納得した。

こんなメッセージ性のある作品のつもりで観てなかったから、本当にびっくり。

それと、お国らしい哲学を含んだセリフが良い。チーのおばあちゃんが言った「人と違うことは強みになる」って言葉が、素敵。

台湾には本省人、外省人、客家人、16部族の原住民が存在しているゆえ、昔から多様さが当たり前なんだそうです。
いいなぁ、台湾のそういう大らかさ。


「幸福ってなに?」
「お腹がいっぱいで、ぐっすり眠れること」

冒頭、チーの父さんがそう言いますが、ほんと、それだよなって思う。
とはいえ、人と比べて色んな幸せを欲しがってしまうけど、それが究極の幸せで間違いない!✨👍

ちなみに、監督は日本のアニメの大ファンだそうです。

劇中で子どもたちが、とある日本のアニメの主題歌を歌うシーンがありますが、中国語で聴くとまったく違う歌に聞こえるのが、面白かった😊

グイ・ルンメイの吹き替え目的だったから、作品にはそれほど興味はなかったのに……。とんだいい作品に出逢えました😆😆
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