うらぬす

ペイン・アンド・グローリーのうらぬすのネタバレレビュー・内容・結末

4.8

このレビューはネタバレを含みます

アルモドバルの作品すべてを観たわけではないけど、それでも最高傑作の評価には何ら誇張は無いと思える。てか冒頭のマーブル模様が良すぎてそこで一気に持っていかれた。
偶然の重なりによって呼び覚まされた過去の記憶によって、失っていた創作活動への情熱を回復して見事映画監督として復活を遂げる──珍しく王道と言って差し支えないプロットだけど、極彩色の美術や役者の顔を画面いっぱいに写すショット、欲望のビビッドな描き方など、アルモドバルの作家性がこれまで以上に凝縮されていておそろしく濃密な2時間弱だった。
主演のアントニオ・バンデラスも、アルベルト・イグレシアスの音楽も好きにならざるを得ない。