ペイン・アンド・グローリーのネタバレレビュー・内容・結末

上映館(2館)

「ペイン・アンド・グローリー」に投稿されたネタバレ・内容・結末

栄光と豊かな暮らしを手にしていながら、心身の衰弱が原因でヘロインに堕ちていく様は胸が痛くなる。
愛した母への後悔と孤独。救ってくれたのはやはり愛。
ラストには驚かされた!なんだよ乗り越えてんじゃん!って理解した瞬間、私自身の未来もなんだか明るくなった。
何年後かにまた観たい映画。
彼は映画監督でも母親でも役者でも過去に愛した男でも名も無き画家でも鑑賞者でもペドロ・アルモドバル監督でもあり、ドラッグや夢がもたらす幻想でもあるかも知れない。水、石鹸、手の反復が辿る欲望。肉体の傷、CG、CTの連なり、柵越しの青空と卵の受け渡し。
自分の知る限りだが本作にアルモドバル作品の集大成的な印象を受けつつ、映画をつくること、映画人として生きること、これが映画であることを集約した作品であることに痺れた。今年はコレ。傑作。
アルモドバル作品だが毒気は少なめ。
最後のひとシーンでぐっとアルモドバルらしさが。

母の愛もしくは呪縛、女性の強さ、寄宿学校や少年合唱団、男性の美しい裸、過去作の色んな要素が詰まっている。
大人サルバドールと年老いた母との会話から、実際アルモドバルとお母さまはどんな関係だったのかなと思った。

アントニオバンデラスは苦手だったギラギラ感が柔和されて良い塩梅のオジサン感。

お母さまがお裁縫得意で、洞窟の家がつぎはぎテーブルクロスや玄関カーテンなど、みるみるうちにカラフルになっていって、大人サルバドールの家はその影響が強いことが伺える。
特に大人サルバ家のカーテンの縦縞の色合いと、洞窟ハウスの玄関カーテンの色合いが一緒なのが印象深い。

アルベルトがサルバドールに対し、『maricón(マリコン)=オカマ、ホモ』(日本語字幕では違う訳し方)と言っていたり『80年代の雑誌もたくさんある、化粧してる貴方も載ってる』というセリフなど、アルモドバルのことを知っている人だったらくすりと笑えるところ。
70年代後半スペインではモビーダというカウンターカルチャーがあり、アルモドバルはそこから出てきていて派手なメイクをしたりしていた。
劇中の映画『風味(saborサボール)』のエンドロール曲はAlaska y Dinaramaの"Como pudiste hacerme esto a mi"という曲。
このAlaskaもモビーダの音楽史のキーパーソンでアルモドバルと親交深く、現在ももはや魔女のような出で立ちでご活躍中。
スペインのサブカル音楽好きな人で知らない人はいないカリスマ的な人でクラブなどで曲がかかるとめちゃくちゃ盛り上がる。

と、色々書いたが、映画としてはうーん!
他の作品に比べると弱いかなぁ〜…とは思うものの、アルモドバルの半生に想いを巡らせる良い時間になった。
前回シンガポールで英語字幕で鑑賞したが内容把握できず、本日日本語字幕で再チャレンジ。
字幕翻訳は松浦美奈さん、えー、松浦美奈さんて、スペイン語もできるの? それとも英語字幕を翻訳?

今回はさすがに内容完璧?に把握できた。😅当たり前か。😂
こんなにいい作品だったとは。。。自分の英語読解力の無さに唖然。😲

本日2作品鑑賞したが、1作目がハニーボーイ、自伝的な作品だったが、本作も自伝的とのこと。

監督が少年時代に読み書き算数を教えていたペンキ屋さんが監督のことを描いた絵が、監督の手元に戻りその裏に監督に宛てた手紙が書かれていたというエピソードはフィクションかな? もし、ノンフィクションなら相当な話だよね。。。フィクションだとしても面白い話だったけど。

昔ヘロイン依存だった同性パートナーを救ってあげられなかった監督本人が脊椎などの痛みを紛らわすためにヘロインに嵌ってしまう。昔のパートナーに対する懺悔録?のような告白戯曲を書き、それをヘロインを習った俳優に提供して、その戯曲を偶然観た同性パートナーが監督を訪ね、ヘロインを断った経緯を話し、そのことにより監督がヘロインを断ち創作意欲が再燃したというくだりは良かったなー! これもフィクションかなー? 出来過ぎてると言えば出来過ぎてる話しだものね。🤔

演者さん達の演技は本当に素晴らしかった。現在の監督、喧嘩別れした俳優、サポートする女性、亡くなったお母さん、子どものころの回想シーンの監督、お母さんすべての役者さんが見事!唄も上手い!

最後の監督とお母さんが横たわっているシーンの後のカット!やられたね。😆

以下前回11/7/2019の鑑賞時のレビュー。😅
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シンガポール映画館での鑑賞5本目。

セリフがスペイン語、字幕が英語なので、そこそこ理解出るのではないかと予想して鑑賞。。。大間違いだった。もしかしたら、日本語字幕か吹き替えで観ても理解できなかったかも知れないような作品。。。

スペインの引退した?映画監督が、やはり引退した俳優の芝居の脚本を書くはなし?
突然咳き込む持病があり、それが脊椎の何かが問題で背中を開く大きな手術をしたり。俳優の家でヘロインを試し、はまってしまったり。。。しかし何を表したいのかはさっぱり分からず。。。

幼少期の回想シーンは面白かった。
少年合唱団での才能の開花、しっかりした音程、うっとりするような声変り前の美声。。。綺麗なお母さんとの洞穴?住居での生活。道端で詩を書いていたところに通りかかったペンキ屋さんの彼女の提案で、部屋にペンキを塗ってもらう代わりに、ペンキ屋さんに読み書き、算数の個人教授をしてあげたり。。。
そのペンキ屋さんが少年である監督を段ボールに描いた絵が、年いった監督の元に偶然返ってきたり。。。その絵の裏にはペンキ屋さんから監督に宛てた手紙が。。。
上記、かなり想像も入っているので、やはり日本語字幕か吹き替えで再鑑賞して確かめないとね。。。

ということで、初めてノースコアで。。。
(^_^;)

演技力😳😳😳ペネロペクスル途中どこかで鎌田行進曲パターンでは?と思っていた。最後のワンシーンで三重構造になっていることで監督からテヘペロ感がある。受けてに任せたよ!
中年以降の映画監督がリバイバル上映の話から過去の仕事仲間と再会、背中の痛みを抑える為あっという間にヘロインに溺れ…というありそうな展開を素早く細かく描きつつ、運命的な再会から再生していく流れが美しい。
ビビトットな色、この監督が全盛期の時のものであろう家具、すごく年取って見えるバンデラス、らしさは相変わらず。

結局過去の思い出として見ていた場面は復活した監督が撮った作品の一部という事で、まさにペインアンドグローリー。
静かに話が進むので、ペドロアルモドバルも枯れたなぁ…と思っていたけど、まだまだ働きそうで嬉しい。

若草物語に続いて、時間が行ったり来たりしたんだけど、この演出流行ってるのか。
他者に見せる外の自分と、晒したくないけど気付いて欲しい内側の自分。

映画の回想シーンって、過去の出来事として(現在とは区別して)取り上げることが多いけど、回想は現在の自分が行っていることだから、実際は過去と現在の境目は曖昧で、共通していて共存しているんだよな、と気付かされた。そして経験の当事者であっても時間が経てば「正確に」過去を振り返るなんてことは不可能で、必ず何らかの脚色が付くものだから、最後の演じているというオチが凄く腑に落ちたし、気持ち良くて余韻に浸ってしまった。
身体がどうにも動かなくなって、ほとんど死を待つだけというような状態の映画監督

あるきっかけで、自分にとっては許しがたい映画を再び観ることに
元凶となり、仲違いした俳優とも再び会う決意をすることで世界が回り始める

最初はやったことのない麻薬に逃げるという手段だったが、
どんどん自分にとって重要な人物との出会いなどを経験し、自分の過去と向き合う

実はその見ていた過去は、全ての問題を解決した上で
自分の自伝的な映画を再び撮りはじめていたという絶妙な構成

主役の映画監督とその宿敵俳優役の人がめちゃくちゃ味が出てました
この作品は想像以上に良かった。観る年代で評価が違うかもしれないが、アルモドバルほど年をとっていない私でも沁みてくる映画だった。
堕ちていってしまいそうな主人公を引き止めた周囲の人々、母の思い出、過去の恋人。
前へ進むことを選んだ彼が誇らしく思え、ラストシーンには唸った。見事だった。
10代20代だったらなにもピンとこなかっただろう作品。
自分の身体に不調があるからこそ
サルバトールのしんどさがリアル。
床に膝をつくときに必ず枕を置くのに対し、
痛いんだろうなぁ……とストレートに思えた。

32年前に仲違いした俳優の家に
突然行くってどうなのとか、
その俳優が超絶久しぶりにあったサルバトールの前で
ヘロイン吸引ってどうなのとか、
それまでクリーンだったサルバトールが
急にヘロインに手を出すってどうなのとか、
しかもまんまとどハマりしてるってどうなのとか、
仲違いするきっかけになった映画の記念上映に
ふたりで挨拶することしておきながらすっぽかして
電話出演で俳優がヘロイン中毒とバラすとか、
前半がツッコミどころ満載で楽しい。

昔、3年同棲していた男性との再会をきっかけに
本腰入れて身体の不調と向き合うサルバトール。
元彼のところを訪問するためだろうが、
1%くらいはヤれる体調じゃなくて
せっかくのお誘いを断らなきゃだったのが
悔しかったのもあるのではと妄想。

幼少期の回想シーンは開放感がある景色多し。
洞窟に作られた家も天井が開いているので
閉塞感がだいぶ薄れて見えた。
一番最初のお母ちゃんたちが4人で川で洗濯し、
歌いながら洗濯物を背の高い草にかけて干すシーンは
彼女たちが神々しいくらい。

ずっと年上の読み書き四則演算の生徒の裸体で
性に目覚めるサルバトール少年。
彼が内装仕事で汚れた体を洗うシーンでは
ノーぼかしで局部ぼろん。
あー、ご立派ですねー。
コレは目覚めますねー。
ここにぼかしが入っていたら
サルバトール少年が熱を出したのは
熱中症のせいだけだと思ってしまったかも。
初恋の人(拡大解釈か)が描いた自分の肖像画が
50年の時を経て手元に来るってすごい。

回想シーンに出てくるサルバトール少年とその母が
ラストの新作映画撮影シーンと同じキャスト。
この回収の仕方、好き。
監督の過去作も観たくなった。

子ども時代のサルバトールに接していた女性に対し、
本人もサルバトール母も
「信仰心の篤い女性(だっけ?)」呼ばわりだったのが
「名前を呼んではいけないその生き物」感あっておもしろかった。

衣装もセットもカラフル。
光もカラッと乾いた感じ。
季節重視ではない作品のはずだが夏に観られてよかった。

サルバトールの真に迫る芝居のおかげで、
今後は偏屈で陰気なジジババを見かけたら、
どっか体調良くないんだろうと少しだけ寛容な気持ちになれそう。