みどりくない

82年生まれ、キム・ジヨンのみどりくないのネタバレレビュー・内容・結末

82年生まれ、キム・ジヨン(2019年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

「トイレに変な穴があると盗撮を疑う」
女子のあるあるだと思うけど、冷静に考えれば異常な話だ。世界のどこかに、そんな発想を持たないでいられる場所があるのかな。私の子どもも、女の子として生まれたら変な穴に怯える宿命を背負うのかな。女の子が怯えない時代が、私には想像できない。それは、まるでライオンに怯えるシマウマみたいな自然の固定的な摂理なのかな。
ひとまず、私は穴を見かけたらトイレットペーパーを詰めることにした。ここに、穴に怯えた子がいたことを伝えたい。いつか、放置されていた穴が埋められていますように。

どうして娘は大事にされなかったんだろうといくら考えても、納得できる答えは分からない。家を継ぐのが男の子だから?家父長制はなくならない?きっと無くならない…きっと天皇制は続いていく…それが伝統だから。
父親はジヨンの好物を知らない。興味を持ってこなかったから。変えられない過去。過ぎ去った幼少期。

ジヨンは前を向けたけど、女性としては単純なハッピーエンドを迎えられた感じではない。
変えられない過去と、きっと急には変わらない未来。少しずつ変えていく未来と捉えるべきか…

とにかく、幸せにならなきゃ!
幸せになるための体力をつけなきゃ!
美味しいものを食べなきゃ!
お金を稼がなきゃ!
自分を大切にしてあげなきゃ!と思うことにした。
みどりくない

みどりくない