まるやま

82年生まれ、キム・ジヨンのまるやまのレビュー・感想・評価

82年生まれ、キム・ジヨン(2019年製作の映画)
1.8
キムジヨンとその家族以外の登場人物がたちが
こうも揃い揃ってステレオタイプのぺらっぺらの
人物しかいないとリアリティの欠如と「女性の社会進出の阻害とは何か?」の
安い教則ビデオのように見えてしまった。

小説?自身を基にしたエッセイ?を2時間にまとめたら
エピソードがぺらっぺらになっちゃいましたってこと?

儒教や韓国の男性の権威主義など、これまで歴史が作り上げてしまった
負の歴史、遺産が生み出しているもの、
それは日本でも深く根差しているけれども、
それをキムジヨンとその家族とそれ以外で区分けして、
こうも人物やその人たちが掘り下げる台詞を安っぽくすることで
台無しにしてしまったと思った。

キムジヨン、ジヨンの家族だけが特別なのか、
それ以外が劣っているのか、それぞれに抱えている思いは?
働く女性だけが味方でそれ以外は敵?
その比較の安さと掘り下げ方の浅さがこういう問題で
それとそれ以外の分断をしていないか?

あるあるで共感するだけならスカッとジャパン見ても
おんなじ感想を持てるんじゃない?

これは映画であって、芸術であり、エンターテインメントであってほしかった。
そして今の時代を切り取るには余りに安く感じてしまった。

世界がこんなに単純だったら、逆にキムジヨンはこんなに苦しまなかったと思うけど。
まるやま

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